『掛け合い漫才小説』より、『シャドー・ボクシングの漫才』
松…おっ! つるたこうじ 渋い!! カッコいい!! サイン下さい。
竹…サインはVでござんす。
松…えっ?
竹…冗談でござんすよ。
松…つるたこうじも、冗談云うんだ!! ああ ビックリした。
竹…任侠映画にもユーモアは必要なんでござんす。
松…にんきょう映画!?
竹…まあ、わかりやすく云えば、いわゆるひとつの〝やくざ映画〟でござんすよ。
松…そっか。
竹…まあ、筋を通すやくざもんが、任侠でござんすな。
松…なるほどなるほど。仁義ある渡世人でござんすね(と、真似っ子)。
竹…(沈黙)
松…やはり、つるたこうじは、黙っているのが最高やわ。
竹…(再び沈黙)
松…しかし、最近の天気予報は、ホンマにハズレなしやからね。大したもんや。
竹…まあね。
松…ぼくの宝くじ、代わりに買ってくれませんか!?
竹…なんのこっちゃ、誰に云うとんの!?
松…天気予報のおねえちゃんにや。
竹…断られるに決まっとるやろ。
松…ほっとけ。