Slime Slime Slime
二度目のモンスターの攻撃が、タクの体に深い傷を負わせた。普通の人間なら、この場で倒れ込むだろう。
しかしタクはミコトを守るため、痛みをこらえてモンスターの前に必死で立ちはだかっている。命がけで、ミコトを守るつもりなのだ。
「タクさん!」
ミコトが叫び声をあげた。そして同時に、モンスターにとてつもない激しい怒りを覚えた。モンスターが三度目の攻撃態勢をとった時、タクは絶望していた。
「クソッ! こんなところで終わりか!」
その時、ミコトが素早くタクの元へ駆け寄った。ミコトはタクをかばい、モンスターを睨みつけている。モンスターに、立ち向かうつもりなのだ。
「ミコト、やめろ! ミコトに倒せる相手じゃない!」
タクが苦しそうに声を出し、ミコトを止めた。だが、手遅れだった。ミコトは後ろ手で、軽々とタクの大きく重い剣を引き抜き、あっと言う間にモンスターに振りかざしたのだ!
〝ドサッ〞
すぐさま漆黒の闇に不気味な音が響き渡り、そしてやがて辺りは静寂に包まれて行った。