再会
パングレアスは、陽気な街だった。一年の大半を夏で占められるこの土地は、住民の大半もまた黒人で占められていた。
黒人といっても黒い縮れ毛に真っ黒な肌を持つ百パーセントの黒人もいれば、ムラートと呼ばれるヨーロッパ系とアフリカ系の混血の人たちも多かった。彼らが昔アフリカから奴隷船で連れて来られた人々の末裔なのか、それとも何らかの別のルートで派生してここに住みつくようになった人たちなのか、私は知らない。
いずれにせよ、幼かった私が両親と一緒にここに越して来たときには、中国人をはじめとするアジア系の住人は、五パーセントにも満たなかった。
ビリーとジョーイは同い年で、パングレアスで最初にできた友だちだった。二人ともすごく背が高くて陽気。ビリーは基本的にいつも笑っていて、とても綺麗な蒼い目をしていた。ジョーイはおとなしく人のいいおっとりとした性格で、でもキューバ的なリズムで上下に跳ねるように歩いた。
私たちは、市の中央にあるスイミング・プールで知り合ったのだった。小学生が集う、この街で唯一の遊び場。市の中央といっても家からブラブラ歩いて十分ぐらいで着いてしまうのだけれど……。何しろ小さな街なのだ。彼ら二人との出会いについては、いまはまだ詳しくは話さないでおこう。