まえがき
二〇二一年を共に生きている読者の皆様、こんにちは。
昨年はパンデミックに認定された新型コロナの影響で、誰も予想できなかった世界の大変化に直面しました。経済面、精神面で過渡期となりつつあります。
個人的な予期せぬ出来事は、一九九〇年十一月十日の夜中三時に起こりました。突然、頭が冴え、目が覚めると、頭の中で誰かが、私にメッセージを送っていました。この方がタモツさんでした。
その時、彼は声で語りませんでした。頭の中で、ラセン状のテープの上に文字が現れ、その文章を読みながら、タモツさんとの会話が始まりました。
その内容は、「こんばんは。これからあなたと共に、この世の中を観察していきたい、と望んでいます。私は肉体を持たず、今は人間とは違う感覚で、世界の様子を見ています。しかし、人間の目を通して映る景色や、人間の耳を通して聞こえる有限の音をモニターしたい。もちろん無断で侵入するのではなく、あなたの了解を得てからです」ということでした。そして話は続きます。
「いつも一緒に過ごしたい。二十四時間いつでも話すことはできますが、あなたの自由意志は大切です。あなたの方から問いかけたときにお返事します。生活の邪魔はしません。期間は二年間です」
私は「これは一大事」と思いつつも、興味が沸き、「二年間の条件ならお受けしよう」と決めました。会話は、有声音ではありません。