-------塩とスイカ-------
イヤな奴にはイヤな奴なりの、正義がある。
女子あるあるで、
「これヤバイ! 可愛くない?」
「かわいいー!」
「マジかわいいね!」と共感を煽り、仲間意識を高めていくなか、
「べつに、普通」
「かわいー(棒読み)」
ポロっと本音を漏らしてしまったり、調子を合わせても顔に出ちまうコイツは、いわゆる女子力高いグループの中では浮くタイプ。
同じようにサッパリしたサバサバ女子と気が合い、小学校時代は女子より幼稚な男子の友人も多い。そういうところが反感を買ってる可能性もアリだな。コイツがいつもつるんでるドッジボール仲間が、誰かの想い人かもしれないし。
そのイヤな奴からみれば、三緒が調子乗ってるイヤな奴なんだろう。
不思議なもんで、誰かをこいつヤダ、ムカつくと思うと、そいつのやることなすこと引っ掛かる。癇に障るってやつか。
知らず知らずに意識が集中し、そいつがなにか気に入らないことをしでかすと、ますます敵として認識するんだ。イヤイヤフィルターがかかるんだな。1種のアレルギーみたいなもん。
そうなると、今度はそいつが気に入らないことをするのを待ち受けるようになる。もっとヤレ!
お前はヤナヤツ!
溜まった感情を吐き出すために、そいつを攻撃するもっともな理由が欲しいんだ。
ひどくなると一緒に攻撃する仲間を集めたり…。
だから、理不尽な攻撃を受けても、黙ってその場から立ち去った三緒の対応は正しい。
どうやっても悪く取られるんだから、そいつの視界から消えるのが1番だ。