-------焼き鳥屋のオバチャン-------

神経を使うと腹が減る。チビの頃からよく寄る、駅前の焼き鳥屋のオバチャンの所で鶏皮と砂肝を買い、小さな商店街を抜けて、緩い坂を登った。沖縄出身のオバチャンは、小さい頃、よくおまけに黒飴やラムネやちんすこうをくれた。

サイケなTシャツにくっきりしたアイラインの、エキゾチックで恰幅のいい、南国美人だ。今でも焼き鳥をときたま1本オマケしてくれる。がっついて店先で食おうとすると、

「食べ歩きだめだよ、高校生! 制服で買いにくるやつにはホントは売らないんだから!」

くっくっ(笑)、結局売るんだろ? 毎度お約束のやり取りだが、なんだかんだ売ってくれる。

チビの頃からの知合いだけの特権が、いつも嬉しい。今どき食べ歩きNGなんて、ファンキーな見た目に反して少し堅いところも好きだった。