捜索開始
私は仕方なくショーを着替えさせ散歩に行くことにした。「ショー、散歩に行くよ」というと、心から嬉しそうな顔をして玄関に走って行き早々に靴を履き私を待っている。
「ショーちょっと待っていろ、今行くから」私は慌ててトイレに行きショーを連れ出した。
私は妻が起きたらビックリするだろうなと思いつつも、ショーを連れ出し近くの駐輪場まで歩いた。ショーは自転車の後ろで「ウダウダ、ウダウダ」と言っている。早く出発しろと催促しているのだ。
もう外は青空が広がっている。空気もヒヤっとして気持ちがいい。日曜の朝早くなので自動車もあまり通っていない。絶好の散歩日よりだ。散歩のコースはだいたい決まっている。
家から自転車で二~三分位の神社公園(神社の裏にあるので近所の子供達から通称こう呼ばれている)。また、そこから五分位自転車に乗るとSストア前の公園。更に自転車で五、六分位のところに銀杏の木々で囲まれていてひっそりとしたS公園。幼稚園に隣接しているN公園等々を順番に巡っていくのだ。
これらの公園に共通しているのはブランコがあることだ。ショーの脳味噌にはこれらの公園の場所は全てインプットされている。これらの公園の近くを通ると必ず自転車を止め公園に走っていってしまうのだ。まだ、自転車が走っているというのに、困るのは用事があってショーを後ろに乗せて走っているときだ。
間違って公園の近くを通ったりしてしまうと、後ろの席から止まれ止まれと私の背中を頭でド突くのである。これが涙が出るほど痛かったりするのだ。
ショーは手加減することはしない。そんなわけで通常は公園の近くを通らないようにしている。