信頼関係の積み重ね
取引先からの依頼で新しい製品作りに着手
「企業」といっても、個人同士の信頼関係ができないと、情報は入ってきません。取引先の変化にいち早く対応していくためには、個人と個人の信頼関係を築いていくことが非常に大事です。私は仕事の場でそうした信頼関係を築いてきたと思っています。担当の方々は、私に情報を与えてくれ、これをやってみないかと声をかけてくれるようになりました。
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TOTO中津工場にプラスチック部門の工場が立ち上がりました。FRP(繊維強化プラスチック)で、浴槽や水槽タンクなどを作る工場です。
資材課を通して、プラスチックの担当者を紹介していただきました。水槽タンクにはタンクを据え付ける架台が必要で、その架台を製作してほしいとのお話でした。
試作品を作って納入しました。水槽タンクは大きな建物の地下に置く受水槽と、ビルなどの屋上に設置する高架水槽があり、水槽のサイズにより、架台の寸法や高さが変わります。その都度、弊社で図面を書き、製作することになりました。
当初は塗装して納入していましたが、メッキにしたほうが錆が出ないので長持ちすることを私が提案し、それ以来メッキ(溶融亜鉛メッキ)加工をして納入することになりました。
メッキ工場は筑豊の鞍手町にあり、最盛期には毎日のように四トントラックに鋼材をいっぱい積んで往復していました。妻もトラックを運転します。まだ子供が小さかったので、運転席の後ろの仮眠用のベッドに子供を乗せ、鋼材を運んでいました。
私が行くより妻が行くほうがメッキ工場の人も手伝ってくれるので、早く積み下ろしができたそうです。逞しくも、心強い女房でした。
プラスチック工場で、次はFRPでプールを作るということになり、学校やスイミングスクール、公共施設のプールを施工することになりました。弊社が現場施工をすることになり、九州各地、中国地方、四国地方まで工事に出かけることもありました。
しかし、水槽タンク、FRPのプールなどの領域では、TOTOは後発メーカーであったため、原材料を持っている先発メーカーとの競争に勝てず、しばらくすると撤退を余儀なくされ、中津工場ではFRPに関する製品は製造されなくなりました。