第3章 世界のパラダイム
ビフォアコロナ アフターコロナ
10 人間中心主義から生命中心主義へ
欧米を中心とした価値観の中には、人間中心主義が色濃く反映されています。ユダヤ教、キリスト教の聖典で、イスラム教の啓典である聖書(旧約聖書)の創世記にこのようなくだりがあります。
神が言われた、「われわれは人をわれわれの像(かたち)の通り、われわれに似るように造ろう。彼らに海の魚と、天(そら)の鳥と、家畜と、すべての地の獣と、すべての地の上に這うものとを支配させよう」と。そこで神は人を御自分の像の通りに創造された。神の像の通りに彼を創造し、男と女に彼らを創造された。そこで神は彼らを祝福し、神は彼らに言われた、「ふえかつ増して地に満ちよ。また地を従えよ。海の魚と、天の鳥と、地に動くすべての生物を支配せよ」。(出典:「旧約聖書 創世記」 関根正雄訳 岩波文庫)
人間中心主義が見事に謳われています。人間が自然をコントロールすることにお墨付きを得ることにより、人間の活動が地球上の命を奪うことに、痛みはあまり伴わなかったことが推察されます。