禅は久しぶりに賢一と一緒に帰れた事が嬉しかった。

「お前と帰るのも、本当に久しぶりだな」
「そうだな」
「お前がバスケ部を辞めてから半年くらいか?」
「その位かな……」
「じゃあ、半年ぶりだな」

二人は顔を見合わせた。そして何がおかしい訳でもないが二人同時に笑った。二人は思い出話をしながら帰った。しばらく歩いていると、三年生の不良グループが、たむろって座っているのが見えた。賢一は嫌な予感がした。

「賢一、見るなよ」
禅はそう言って真剣な顔をすると、三年生の前を、気にも留めないという素振りで通り過ぎて行った。賢一も、うつむいたまま禅に付いて行った。その二人を見ていた三年生の一人が呼び止めた。

「おい、お前ら!」

禅と賢一は立ち止まると振り返った。

「お前ら、挨拶もしないで通って行くのか?」
その声の先を見ると、剛史がタバコを吹かしながら睨んでいた。
「いや、そう言う訳じゃあ……」
「じゃあ、どういう訳だよ?」

禅が、返事に困っていると、剛史の横にいる一人が話し始めた。