しかし、子どもは学校生活の中では、「はかない幸せ」が多いと思います。「新しいクラスはメンバーがよくないから幸せじゃない」「担任の先生が自分と合わないから幸せじゃない」「テストの順位を上げたら親が携帯電話を買ってくれたから幸せ!」といったことをよく聞きます。

すべて与えられたものです。当然これらの、いわゆる「外発的動機付け」が人を動かす原動力やきっかけになる場合もあるので、使い方次第です。しかし、この「はかない幸せ」のみを追い求めていく人生では、自分が人生の主人公にはなっていないから、幸せも自分の意志では達成できないのです。

哲学者ルソーは、著書『エミール』の中でこう言っています。「子どもを不幸にするいちばん確実な方法はなにか。それをあなた方は知っているだろうか。それはいつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ」と。与えられるばかりのはかない幸せばかりを追い求めれば、むしろ不幸になるかもしれないという警告をしているのです。

よって2つめの幸せの種類は「自らの意志による幸せ」です。これは、自分自身の思いや行動によって実現することができる幸せのことです。子どもが学校生活の中や、社会に出たときに幸せな生活をするために必要なものは、この「自らの意志による幸せ」の方だと考えています。