第3章 ヒューマンエラー防止対策

2、ダメージを防ぐカベの設置

2-7 ながら

ヒューマンエラーが発生する理由として「脳が疲れ、時間内に情報を処理しきれなくなったことで不具合が発生することに起因する」と説明しました。

しかし、ヒューマンエラー防止対策を考えるとき、“脳の疲れ”以外に気を付けておかなければならない項目が、まだ2つもあります。

それは、自らの“情報処理の妨害“に関する項目です。

その1つ目が、“ながら行動”や“ながら行為”と呼ばれる状態です。具体的な例では、歩きスマホやながら運転などがニュースでもよく取り上げられていることから、皆さんもよく聞く言葉だと思います。

ながら行為が行われている時、脳の中はどうなっているのでしょうか。

おそらく本来優先的に処理すべき活動より、ながらの対象にあてる活動割合の方が高くなっていると考えられます。その際最も怖いのは、ながら行為に対し“没頭”しすぎて、脳の活動割合に関し自らがコントロールできなくなってしまうことです。

その挙句、本来処理すべき行為に対する答えを時間内に出すことができずに、ミスを犯してしまうという結果を招きます。

人の活動の中には、どうしてもながら行為を避けなければならない場所や時間帯などがあるはずです。その場合、“ながら”を避ける対策が必要となります。