第1章 医療
残薬
「この薬は余っているから2週間分減らして下さい」。
そんなことを言われる患者さんが多くなりました。そこで「どのくらいの方が薬を飲み残しているのだろう」と化石医師自身の再診外来を受診された患者さんの1か月の服薬状況をチェックしてみました。
その結果、656人の再来患者さんのうち72人の方が薬を飲み残しておりました。11.1%です。60歳代から80歳代の方々の受診が一番多いのですが、60歳代128人中18人、14.1%、70歳代187人中17人、9.1%、80歳代206人中23人、11.2%でした。
残念なことに受診者は多くないですが30歳代7人中2人、28.6%、40歳代21人中4人、19.0%と若い方ほど薬の飲み残しが多かったことです。
興味あることに一番の高齢者である90歳代は44人中2名のみわずか4.5%でした。なお50歳代は57人中6人、10.5%とほぼ平均です。
一番のご高齢の方が何故飲み残しが少ないのか興味あるところですが44人中27人、61.4%の方が自力歩行、8人、18.2%の方が杖などのつかまり歩行で受診されていました。車椅子の方は9人、20.5%でした。また認知症の方は9人、20.5%でした。
この方々を含め生活においてご家族の見守りを受けられている方が19人、43.2%でした。90歳代の方々ではこのようなご家族の見守り、薬剤管理が残薬が少ないことに繫がっていると思われます。
またご自分の病気を理解されきちんと服薬されてきたから障害の発生が少なく健康寿命も延伸できたとも考えられます。
薬の数、服薬回数で検討してみますと3錠の方が一番多く15人、20.8%でした。面白いことには1錠の方と7錠以上の方の残薬%がなぜかあまり変わらず4%~7%くらいでした。