6月の新連載のお知らせ
梅雨も悪くない、そこに本があるなら。
6月は26作品がスタート!
6月18日(木)
11時~『息子にAIを彼女として紹介されたらどうしよ』マッキー南雲
6月19日(金)
14時~『あのころの世界』えんどう としこ
16時~『静かなる絶叫 ――ある母の記録』一ノ瀬 エリカ
18時~『歩き遍路 ほろり巡礼 縁(えにし)をつなぐ通し打ち』加藤 美香
6月22日(月)
7時~『ボードレール ―売春の芸術―』栗原 真治
8時~『金星への帰還』中村 正人
14時~『21世紀姥捨山伝説』神保 夢々
18時~『本能寺の変と春日局』山城 利躬
20時~『炎の職人 バイオリン職人の道は三行の求人から始まった』桂 敏明
21時~『伊織がゆく 宮本武蔵邂逅編』岡野 よし遼
22時~『バトンをあなたへ 戦後80年を生きて』斎藤 美栄子
6月23日(火)
8時~『Unreadable patterns』いつむ
14時~『ネイチャーオブマインド 本来の「わたし」に還る旅』Pādma・Yasuhiro
18時~『光の船 Science』杉谷 惠 Megumi Orpheus Sugitani
20時~『ユメジ』草庭 千晴
21時~『極彩の岬[文庫改訂版]』熊坂 俊太郎
22時~『卑弥呼と古事記と日本書紀[単行本版]』吉木 正實
6月24日(水)
8時~『おとこと女』澤村 涼一
14時~『家庭教師十景』みつき 一夫
14時~『女帝が次々誕生する社会 ―邪馬台国東遷によるヤマト王権の支配』冨田 修
18時~『なぜ起こる? 身近な家電withノイズのストーリー』上島 敬人
20時~『九十歳直前から始まった母の十三年介護』津村 彦行
21時~『銀河ファンタジー 虫喰の森 天の川銀河編』平井 としお
22時~『役割のあと 何で生きるか』岡部 康弘
6月25日(木)
8時~『モンゴルと歴史の旅 ~シベリア抑留の追想~』清水 勝
14時~『1990年夏 ソビエト社会主義共和国連邦で川端康成の『雪国』を読んでいた』小辻 富明
6月18日(木) 11時~
『息子にAIを彼女として紹介されたらどうしよ』
マッキー南雲
幻冬舎ルネッサンス主催『緊急企画!ーオールジャンル書籍コンテストー』大賞受賞作品。
妻を亡くした中年の父のもとに、最新のメガネを外さない息子が帰省する。食卓と寝室にちらつくのは、二人のあいだに割り込む「見えない三人目」の気配。小さな違和感がじわじわと家の空気を変えていく一夜の物語。
本文をチラ見せ!
玄関の鍵を回す音が、妙に響いた。
いつも通りの自分の家なのに、ドアノブに手をかける前から、胸のどこかがざわついている。
靴箱の上には、妻が最後に買った花瓶がそのまま置かれていた。もう花を挿さなくなって、ずいぶん経つ。代わりに領収書とチラシが差し込まれて、どちらが本来の使い方だったのかわからなくなっている。
リビングの方から、人の動く気配がした。
「おかえり」
扉を開けると、息子がこちらを振り向いた…
6月19日(金) 14時~
『あのころの世界』
えんどう としこ
信じていれば、子どもはいつか応えてくれる。
学校での対応に戸惑い、進路に迷い、思春期の壁にぶつかり――それでも子どもを信じ続ける親がいる。
日々の支援が教えてくれたのは、諦めないことの価値だった。
言葉が出ない、会話が噛み合わない、集団になじめない――。
まだ理解も制度も十分ではなかった時代、支援の現場は何を見て、何を支えてきたのか。
36年間、多くの家族と歩んできた療育の記録。
子どもは一人ひとり違う。通うことを嫌がる子もいれば、場に自然となじむ子もいる。
違いはどこから生まれ、どう関わればよいのか。
待ち合わせの取り決め、時間の使い方、環境の整え方――著者が現場で重ねてきた工夫をエピソードとともに語る。
戸惑いと小さな前進の記録から、子どもと向き合うヒントが見えてくる。
本文をチラ見せ!
平成元年十一月、たった一人で始めた障がい児療育の「こばと塾」を二年後「こばと治療教育センター」と改称して三十六年間運営した。前作『かれらの世界』を上梓した頃から、言葉にしにくい不穏な空気は続いているが、二〇二五年後半以降、人々の雰囲気は確かに変わり始めた。デジタルの進展は、障がいのある人の意思表示や選択を支え、コミュニケーションの形を広げている。
今から三十年以上も前の話になる。現在、三十代後半で…
6月19日(金) 16時~
『静かなる絶叫 ――ある母の記録』
一ノ瀬 エリカ
みんな何かしら抱えている
思い出したくないつらい出来事ほど、脳裏に焼き付いて離れない。夫の無理解、息子のがん治療、やさしい母の死、自らの病――。前を向いて生きるためにつづられたある母親の半生記。
本文をチラ見せ!
九歳で味わった出来事、揺れに揺れた青春、息子の病と夫婦の軋(きし)み、旧棟の夜……。
文字にしてみると、なかなかハードな道のりです。それでも私はこうして、今日も台所でご飯を作り、ときどきくだらないことで笑っています。
この本は、決して「不幸自慢」でも「かわいそうな話」でもありません。いうなれば私の「お守り」であり、ちょっとした勲章です。転んで、泣いて、それでもなんだかんだ立ち上がってきた一人の母の…
6月19日(金) 18時~
『歩き遍路 ほろり巡礼 縁(えにし)をつなぐ通し打ち』
加藤 美香
この景色も人の温もりも足の痛みも、ぜんぶ宝物
突然思いついた歩き遍路。しかも一回で全部を巡る“通し打ち”。
命の危険すら感じる過酷な道中、泣いて、ぼやいて、感謝して……、感情ダダ洩れの巡礼日記。
歩き遍路でしか味わえない、歩き遍路だからこそ受け取れる<感激>がある。――弘法大師と旅をした、51日間とほぼ1500kmの記録。
本文をチラ見せ!
なぜか突然思いついた四国遍路。
さぁ、1年かけて準備してきた四国歩き遍路1500km踏破の旅。いよいよ明日自宅を出発する。
最小限に抑えた荷物でも、リュックやお参り道具は必須。必要なものを詰め込むとリュックだけで5kg超え、頭陀袋は1.5kg超え、結局7kg近くを担いで歩くことになった。
四国のスタート地点に行くだけで挫折しそうだ。いや、自宅から最寄り駅までで気持ちが折れそうだ。
しかし、1年間積んできた…
6月22日(月) 7時~
『ボードレール ―売春の芸術―』
栗原 真治
堕落は、美の最終形態である
ボードレールは売春を芸術の本質を照らす行為として捉えた。『悪の華』『パリの憂鬱』を読み解き、穢れと聖性が交錯する逆説の美学に迫る。
花のように咲き、闇のように堕ちる。
ボードレールが見つめたのは、人間の最も低い場所に潜む美の輝きだった。
売春という行為を通して、彼は芸術の宿命と人間の欲望を描き出す。
そこにあるのは、救済なき世界でなお美を求める魂の姿である。
堕落と崇高さがせめぎ合うボードレールの思想を、鋭く、そして詩的に読み解く。
本文をチラ見せ!
シャルル=ピエール・ボードレール。
象徴派の先駆者として知られるフランスの詩人。詩集『悪の華』は、近代文明・社会の退廃を鋭利な感性で批判する一方で、自己の苦悩、絶望などを表現豊かに綴った金字塔的作品。詩人の生誕から死までの人生を表現した、その内容は近代詩に革命をもたらしたが、あまりに官能的な部分が多く、風俗を乱す作品として起訴された。
パリに生まれ、幼少期に父親と死別。学校で問題を起こす、文学を志す…
6月22日(月) 8時~
『金星への帰還
夜明けを信じ続けた、金星探査機「あかつき」の再挑戦と復活』
中村 正人
諦めない、金星到達のその日まで。
失敗――。金星への旅はため息とともに始まった。
その5年後、世界が驚く方法で金星周回軌道への復活を成し遂げる。
元JAXAプロジェクトマネジャーが綴る、不屈の精神で挑み続けた「あかつき」の軌跡。
夢を現実に変える
■5台のカメラ開発秘話
■全国を回っての研究者説得
■ロケット変更による打ち上げ間近の改修
■2010年、金星周回軌道投入失敗
■姿勢制御用エンジンで惑星周回軌道投入成功へ
本文をチラ見せ!
私は2010年に打ち上げられた、日本初の金星探査機「あかつき」の立ち上げに尽力した一人である。2023年に定年を迎えるまで、宇宙科学研究所の古典的な呼び方では衛星主任(JAXA流にはプロジェクトマネジャー)をしていた。
私のした仕事はプロジェクトの方向性を決め、それに見合う探査機のグランドデザインを引っ張ったことにある。それはプロジェクト立ち上げ後のほんの数年間に限られ、それ以降は工学側は石井信明…
6月22日(月) 14時~
『21世紀姥捨山伝説』
神保 夢々
北の果てに消えた人々は、どこへ行ったのか。 誰も還らない。誰も語らない。
65歳で「北海州」に送られた進一。そこで待っていたのは、運動会という名の選別システムと、「北の果て」送りという恐怖だった。だが、真実を確かめるため北の果てを訪れた彼らが目にしたものは——。巧妙に仕組まれた壮大な計画の全貌が、今、明かされる。衝撃の真実が待つ、社会派長編小説。
本文をチラ見せ!
夜の海が、底の方から轟々と鳴っていた。
ボートが岸を離れ、どれくらい経つだろう。一隻に十人。二隻で合計二十人。乗り込んでいるのは六十五歳を過ぎた熟年の男たち。どの顔も逞しく、日に焼け、潮に晒され、汗と疲労で汚れていたが、目は死んでいなかった。彼らはボートの左右に座し、自分に任されたオールを一心に操(あやつ)っていた。
轟々という音は、いつまでも続いた。そのうちに誰も気にとめなくなったが、元漁師だという…
6月22日(月) 18時~
『本能寺の変と春日局』
山城 利躬
乱世を生き抜いたのは、武将だけではない 一人の女が、時代を支えた
信長・秀吉・家康――歴史を動かした男たち。その裏には、徳川将軍家を支えた女性・春日局の存在があった。激動の時代における人間の決断と信念を描く、もう一つの戦国史。
本文をチラ見せ!
足利尊氏は後醍醐天皇の呼び掛けに応じて、鎌倉幕府を打倒し、室町幕府を開いたが、あくまでも天皇親政を主張する後醍醐天皇と意見が合わず、後醍醐天皇は天皇親政による都を吉野山に移し(南朝)、尊氏は京に光明帝(北朝)を擁立して自身の正当性を主張した。南北朝時代(一三三七年一月より一三九二年十一月)である。三代将軍足利義満は、南朝を擁立する楠木正儀等の軍勢を河内で破り、その結果、南朝は立ち行かなくなり、…
6月22日(月) 20時~
『炎の職人 バイオリン職人の道は三行の求人から始まった』
桂 敏明
手にしたのは、仕事ではなく人生だった
ユニークな職人たちとの出会い、世界最高峰の弦楽器・ストラディヴァリウスとの邂逅、笑いと葛藤に満ちた工房での日常――
バイオリン職人として、炎のように燃え続けた日々を綴った自叙伝
本文をチラ見せ!
二十二歳の時、偶然目にした新聞広告に導かれてバイオリン職人を目指し、文京区にある弦楽器専門店で十年余りの修業後、独立し杉並区西荻窪に自分の工房を開きました。幸いお客様や弟子にも恵まれ、今まで職人として工房を続けることができています。
六十六歳になって心臓の手術を受け、直後に脳梗塞を発症し、障がい者となった時、これまでバイオリンと共に歩んできた年月を、改めて自分の言葉で振り返ってみたい――そう思った…
6月22日(月) 21時~
『伊織がゆく 宮本武蔵邂逅編』
岡野 よし遼
飛ぶ蜂を斬る少年、二刀流の武者修行へ
三代将軍徳川家光の頃、秩父の山道で若き宮本武蔵と偶然出会った少年伊織。剣の達人の血を引き、空中で蜂を斬っていく伊織の刀捌きに武蔵が瞠目する。
文武両道を目指す伊織は武蔵に二刀流開眼のきっかけを与え、武蔵の弟子として修行の旅に出る。
剣豪たちに囲まれて成長していく少年伊織の物語。
本文をチラ見せ!
夏も後半、油蝉が蝉時雨に鳴き加わり始めている頃、江戸より北西にある秩父連山の中にある正丸峠(しょうまるとうげ)を越えて道を下っている武者修行中の若き侍がいた。
峠の細道が秩父盆地に開ける辺りで、侍が左手を向くと、疎(まば)らになりだした深緑の杉の木々の間から望める小山があり、その山には、三十年以上も前に滅亡した北条氏一族が造った古い山城(やまじろ)があり、今では僅かに土塁、石垣が残っている程度の…
6月22日(月) 22時~
『バトンをあなたへ 戦後80年を生きて』
斎藤 美栄子
樺太生まれの少女の懐かしい子ども時代。変遷する昭和の生活。 迷いつつ、学び、育て、海外にも飛んだ著者の話は、新鮮な感動を呼び、人生を考えさせる。 戦後史・ファミリーヒストリーとしても貴重な渾身のドキュメント。 脚本家 三宅直子氏 推薦
戦中の日本に生まれた著者は、焼け跡から高度経済成長、バブル崩壊、そして現代に至るまでの80年間を、家庭・仕事・地域社会といった等身大の視点で振り返る。
日本が貧しかった頃の子ども時代、夢を追った学生時代、結婚・子育てといった個人的な出来事と、歴史的事件や社会の変化が交差する中で、人生の意味を問い直していく。
特別ではない「私」の人生の軌跡が、読む者の記憶と共鳴し、「人生」とは何かを静かに問いかける一冊
本文をチラ見せ!
皆さんは樺太という場所をご存じだろうか? 今はロシア領サハリンと呼ばれているが、1945年まで南樺太は日本の最北端の地だった。北緯でいえば、パリやウィーン、ミュンヘンなどと同じくらいの位置にある。
一章は、父・一柳直通が残した「自分史」から引用する。樺太の自然について、父はこんな和歌を詠んでいる。それぞれの歌には説明が付されているが、ここでは割愛する。
「白銀の はてなき樹氷 陽に映えて 御伽の国は…
6月23日(火) 8時~
『Unreadable patterns』
いつむ
神が目指す“完全な世界”は救いか、滅びか
不完全な世界に対して芽生えた愛が、創造主である神を揺るがした。完全な世界を求めた神は、自身のコピーであるルキフェルと対立。乱立する価値観と生き方の瞬きはやがて、天使達も惑わせていく――。
不完全なまま生きることの意味を問う、壮大なSF作品。
自らの全知全能を証明するために、神は世界と、自身のコピーであるルキフェルを創った。だが、完璧に創る必要がなかったはずの世界に愛着が芽生えた神は、完全な世界に創り変える計画を考える。「我々は世の全てを等しく理解できないから偏見を持つ。しかし、偏見がある方が真に愛される存在は多いのではないだろうか」。
神の計画を阻止するため、ルキフェルがとった行動とは――。
本文をチラ見せ!
これはルキフェルの反乱までを語る神話である。
神はその能力で聞き取った未来に、どこかで誰かが発言した「どんなものでも証明されるまでは妄想に過ぎない」という言葉に引っ掛かり、自身の全知全能を一つ一つ証明しようと考えました。その証明する力の一つが世界創造でした。
神はその全知全能から創造した世界の未来も自分自身が将来に感じる感情も、わかっていました。
神にとって全知全能を証明することが目的であり、完璧に創造…
6月23日(火) 14時~
『ネイチャーオブマインド 本来の「わたし」に還る旅』
Pādma・Yasuhiro
心の変革の先に、本当の幸福はある
何をしても満たされない空虚感、成功しても消えない不安……
その根源的な苦しみは、「自分が何者か」を見失っているからかもしれない。
人類共通の悩みに真摯に向き合い、宗教的・哲学的な智慧を通じて本来の自分を見出す一冊。
現代人の心の問題の根源は「無条件の苦悩」にある。
表面的な幸福追求では解決できず、「自分は誰か」という根本的な問いに向き合うことから真の満足は生まれる。
本書は、宗教や文化の違いを超えた普遍的な思想とマインドフルネスの実践を通じて、「真実の自己」に立ち還ることを提唱する。
波と水の比喩のように、表面的な「心」を超えた普遍的な「いのち」に触れるとき、人生の本当の意味が見えてくる――
本文をチラ見せ!
私たちがこの世で生きていく中で、どうしても避けたいと思うことは、やはり肉体苦と精神苦だと思います。ひと口に苦しみといっても、さまざまな種類やレベルのものが存在します。その中でも、とりわけ人間関係のトラブルがきっかけで起こる苦悩は、人々にとって大きなウェイトを占めているように思います。実際のところ、私自身もこれまでたくさんの対人トラブルで悩まされてきました。
「人間は本性上ポリス的(社会的)動物である…
6月23日(火) 18時~
『光の船 Science
Messages and Poetry from a Soul Journey』
杉谷 惠 Megumi Orpheus Sugitani
これは、魂が見てきた“光の航海記”。
魂の記憶は、光となって再び目を覚まします。
著者が受け取ってきた魂の記憶、光のメッセージ、そして癒しの体験を一冊に編んだスピリチュアル作品。日本、ニューヨーク、ギリシア、古代エジプト、古代インド――時空を超えてつながる魂の旅をたどりながら、生命とは何か、光とは何かを静かに問いかけます。詩とヴィジョン、祈りと記録が重なり合う、幻想的で深い読書体験を届ける一冊。
本文は日本語の他、英語、フランス語を収録。
本文をチラ見せ!
私のふる里 三重県の亀山は
毎年雪が美しく光る小さな城下町
日本神話のヤマトタケルが この地で亡くなられ 白い鳥に転生して 飛び発たれたという伝説の所です
1982年7月 大きな石が割れて光に吸い込まれるように この故郷を離れロサンゼルスに そうして 1983年の夏8月には一人でNew Yorkに入りました
日本を出発してからの心身のつかれもあって はじめてのニューヨークでは
12月の寒い時から 約3ヶ月お水…
6月23日(火) 20時~
『ユメジ』
草庭 千晴
夢の中だけでもいい。まだ僕のそばにいて
日々健康的に勉強と野球にいそしむ中学生のトシキには、誰にも言えない秘密がある。
それは――物心がついたころから、自分の中に“ユメジ”がいること。
母親を幼いころに亡くしてから、父と生意気な妹と三人四脚で、頑張ってきた。家族を心配させたくないから、自分のこの秘密を誰にも打ち明けられない……。
そう思っていた時、神社の娘で同学年の諸星玲香に、トシキには変な<気>が漂っていると訝し気に詰め寄られて――。
本文をチラ見せ!
199X年夏 その場所は境界線が無い景色だった。絶えず表面が揺らぎ、規則的な音がその存在を知らせている。その中を、幼い男の子がはしゃぎ声をあげて迷うことなく進んでいく。「独りで行かないよ!」と母親は心配そうに叫ぶ。「おかあさん、足がつかない所に行けないから!」男の子がよろめいた瞬間、慌てて駆け出して救い出した。
「パシッ」というヒビが入った様な音でシャッターが切れる音がした。
「こんな所写真に撮らないでよ…
6月23日(火) 21時~
『極彩の岬[文庫改訂版]』
熊坂 俊太郎
白亜の灯台が見た、鮮烈な色彩(ミステリー)
『神奈川県M半島100年史』の執筆を任された20代の社会科教師・クロカリ。
太平洋戦争中の史料を漁っていると、米国公文書館のアーカイブでZ埼灯台を舞台とした奇妙な「映像」を見つける。
そこには、目を疑うような戦中の光景が記録されていて――
劇画のストーリーテラーが描く、ミステリーの世界!
本文をチラ見せ!
真夏の岬は、油絵具を散りばめたパレットのように色彩で溢れていた。
褐色の火成岩、恒星のように輝く日向夏(ひゅうがなつ)、潮風が練り込まれた有刺鉄線、置き去りの銀色の自転車、角砂糖のような小さな官舎……その岬の突端、小高い丘の中央に、白亜の灯台が屹立している。
揺らめく陽炎、無気力な風力計。一年を通して人影も疎らなこの風景を、いまは一世代前の監視カメラがぼんやりと眺めているだけだ。
その“風景”が突然動き…
6月23日(火) 22時~
『卑弥呼と古事記と日本書紀[単行本版]』
吉木 正實
邪馬台国は実在した。卑弥呼も実在した。なぜ、『古事記』『日本書紀』は沈黙するのか。日本古代史最大の空白を、史料の細部から解き明かす。
日本最古の歴史書とされる『古事記』と『日本書紀』。しかしそこには、天皇統治の正当性を示すために神話や年代が組み込まれ、史実が改変されている可能性がある。本書は、中国史料『魏志倭人伝』などの記録と「記紀」を比較しながら、卑弥呼の存在や倭国の歴史、天皇紀の年代構成を再検証する試みである。
『日本書紀』に潜む年表操作や挿入記事の意図を読み解き、神武東征神話や倭の五王、古代天皇の実像に新たな視点から迫る。神話と歴史の境界を問い直し、日本古代史の見方を根底から揺さぶる一冊。
本文をチラ見せ!
我が国最古の歴史書として知られる『古事記』と『日本書紀』。『古事記』は七一二年(西暦、以下も同じ)、『日本書紀』は七二〇年の成立だとされる。
これに対して、『魏志』倭人伝が伝える邪馬台国(邪馬壱国)の記録は、二三九年に女王・卑弥呼からの朝貢があったことが具体的に記されている。そして二四〇年には魏の遣使が詔書・印綬を携えて来朝している。その後も交渉は続けられ、卑弥呼の死後はその宗女・壱与の時代にも…
6月24日(水) 8時~
『おとこと女』
澤村 涼一
この恋の天秤は、僕のほうだけ沈んでいく。
介護事務所で働く一ノ瀬は、趣味の読書を通じて同じ会社で働く、川名香澄と恋愛関係となる。
しかし、香澄は結婚して子どももいる人妻。いわゆるこの関係は「不倫」だった。
二人は自分の気持ちに正直に、幾度となく逢瀬を続けるが、人付き合いが得意でない一ノ瀬は、社交的な香澄に徐々に違和感を感じるようになり――。
不器用なおとこと女が辿る結末は……。
本文をチラ見せ!
「あっ、一ノ瀬(いちのせ)さん、最近何か面白い本、読まれました?」
一ノ瀬が食堂で夕食前と夕食後の配薬の準備に取り掛かっていると、同じく食堂で夕食に向けた配茶の準備をしていた川名(かわな)香澄(かすみ)が声を掛けてきた。
一ノ瀬はちょうど配薬の開始において既に食堂のそれぞれの席で待機している入居者の内、どの入居者を皮切りに配薬をスタートするか、ある程度開始の順番の目星を付けたところで、それ以外のそれぞれの方々…
6月24日(水) 14時~
『家庭教師十景』
みつき 一夫
幻冬舎ルネッサンス主催『緊急企画!ーオールジャンル書籍コンテストー』特別賞受賞作品。
役者を目指しながらも、売れることなく悶々とした毎日を送るひとりの若者。
彼は大学時代のゼミのOB会で3学年上の先輩と再会する。
同窓生たちに劇団のチケットを買うよう、その場を仕切ってくれた替わりに、先輩は彼に家庭教師をしないかと話を持ち掛ける。
嫌々引き受けた家庭教師だったが9人の教え子と心を通わすうちに、今自分に求められていることは何なのか、どうすればいいのか、次第に自分の演技に必要なものを見つけ出す。
本文をチラ見せ!
皆さんは西湖十景をご存じだろうか。
中国春秋時代の美女に例えられ、松尾芭蕉が「奥の細道 松島の章」で絶景の代名詞として引用していた美しい湖「西湖」。そこにある清らかで美しい一連の景観は「西湖十景」と呼ばれ、いにしえから連綿として人々の記憶に残り続けてきた。南宋の時代に山水画のテーマとして描かれていた十の場所。
これは、その西湖十景になぞらえて、家庭教師としての俺の人生の一幕と俺が見た生徒たちの人生の…
6月24日(水) 14時~
『女帝が次々誕生する社会 ―邪馬台国東遷によるヤマト王権の支配』
冨田 修
古代日本はジェンダー平等社会だった!?
「女帝」の継承から解き明かされる、「邪馬台国」の謎
邪馬台国は九州か大和か……。論争の根底を問い直し、女帝たちの継承構造から第3の説「東遷説」を再検証する意欲作。
本文をチラ見せ!
邪馬台国東遷説は、和辻哲郎氏ほか錚々たる研究者が提案している。九州にあった邪馬台国が、卑弥呼・台与のあと、大和(奈良)へ東遷したという説である。主たる根拠となっているのは、天皇家が九州の伝承を持っているという事実である。記紀神話の主神であり、皇祖神とされる天照大神は、「筑紫の日向の橘の小門」で誕生し、初代神武天皇は日向から奈良へと東征し⾧髄彦を滅ぼし即位したとされる。 本書では、従来の東遷説にさらに…
6月24日(水) 18時~
『なぜ起こる? 身近な家電withノイズのストーリー』
上島 敬人
見えないノイズを知れば、家電も仕事も、ちょっと面白くなる。
家電はなぜ誤動作するのか。雷、静電気、配線、シールド、電磁誘導――身近な家電と「ノイズ」の関係を入り口に、難しそうに見える電気の世界をやさしくひもとく。
総合家電メーカーで約40年、白物家電の設計エンジニアとして現場を歩んできた著者が、豊富な経験をもとにEMCや電気磁気学の考え方をできるだけわかりやすく解説。
実例や体験談を交えながら楽しく読めるので、エンジニアはもちろん、ものづくりに関心のある学生・新社会人・学び直したい社会人にも。技術の話でありながら人や仕事との向き合い方にも触れた、技術読み物。
本文をチラ見せ!
電気の世界は目に見えません。敏感な方はチクチクするかもしれません(感電ですね)。
見えない世界は得体が知れないものです。
多くの人は、正体がわからないモノには生理的に近づこうとはしません。
でも、正体がわからないからこそ、「面白いモノ」と深掘りしようとする人もいるものです。
人と人、あるいは自分と自分以外の人に対しても同じ事が言えるかも知れません。
僕は、子供の頃から概して勉強というものが好きではありません…
6月24日(水) 20時~
『九十歳直前から始まった母の十三年介護
脳梗塞、骨折、認知症そして看取り――』
津村 彦行
老いた母と出会い直す
八十九歳から百二歳まで。
母の晩年を支えた十三年は、濃密でかけがえのない時間だった。
脳梗塞に始まる病と老いの進行に向き合いながら、
親子の関係は少しずつ変わっていく。
介護とは何かを問い続けた、その記録。
本文をチラ見せ!
この本に登場する「母」はあなたの家族かもしれません。人生で初めて体験する未知の世界でもあります。次から次へと問題が発生し、あなたの「判断」や「決断」を迫ります。
この本は2000年(母、八十九歳)から2013年(百二歳)まで十三年間の介護の記録です。介護保険は2000年に導入されたものの未整備な時期と重なります。
脳梗塞から骨折、認知症、嚥下障害、そして看取りに至るまで、母とともに歩んだ実録、単なる体験…
6月24日(水) 21時~
『銀河ファンタジー 虫喰の森 天の川銀河編』
平井 としお
銀河の中心で、希望が試される。 少年・少女の分身が挑む、戦いと大冒険。 立ちはだかるのは、黒い魔法使い――そして、オリュンポスの神々。 “異次元世界”虫喰の森から始まる、壮大なファンタジー小説。
如月博士とホワイト博士の分身であるヒカルとリサ。二人が虫喰の森の仲間となり、地球に帰還してから14年の月日が流れていた。
あるとき、博士たちはダーク配下のゼウスに拉致されてしまう……。彼らを救出すべく、虫喰の森の仲間たちは新たな冒険の旅へと乗り出す。
ダークの目的とは何か? 銀河の文明を壊滅へと導く、ダークの究極ミッションが、いま始まろうとしていた――。
「あたしも覚悟はできてる。絶対にパパとママを助けるわ」
本文をチラ見せ!
天の川銀河の最外郭から数えて三番目の渦状腕に属する惑星系、イギオンは恒星から三番目を周回する惑星である。高度な文明が栄える百十二の星の一つだが、イギオン人は闘争心や支配欲が強く民族間や国家間の争いが絶えたことがない。黎明(れいめい)期(文明の誕生)からダーク配下の悪い神による介入が強く、人々に邪心を植えつけマイナス・エネルギーが優位に立って好戦的な種族になっていた。
文明の未来を案じた虫喰の森の長老…
6月24日(水) 22時~
『役割のあと 何で生きるか』
岡部 康弘
定年は仕事の終わりではなく、問いの始まり
定年後、ふと訪れる「空白」。
仕事を失ったとき、人は何を支えに生きていくのか――。
役職定年や再雇用といった制度の実態をひもときながら、役割を失った後の「生き方」を問い直す。
人生の後半をどう生きるか。その答えを探る一冊。
本文をチラ見せ!
定年を迎えたあと、多くの人が思いがけない空白の前で立ち止まる。長年続いてきた仕事の日々が終わり、時間は急にたっぷりと与えられる。けれど、その時間をどう使えばよいのか分からない。
朝、目が覚めても行く場所がない。誰にも必要とされていないような気がして、心のどこかが、静かにしぼんでいく──。そんな孤独を感じる人は、決して少なくない。
そして、この「空白への恐怖」は、定年を間近に控えた人たちだけのものでは…
6月25日(木) 8時~
『モンゴルと歴史の旅 ~シベリア抑留の追想~』
清水 勝
極寒の地での過酷な抑留が問う、明日の日本
モンゴル、シベリア――父が生き抜いた抑留の地に立ち、80年の時を超えてその足跡をたどった息子が見たものとは。過去の史実や歴史的背景を学びながら、これからの日本の行く末を見つめる。
終戦をモンゴル国境で迎え、その後シベリアで抑留された父。父が残した『シベリア日記』には、終戦後も続いた戦闘、死と隣り合わせの行軍、飢餓と極寒の収容所生活など過酷な抑留生活の実態が綴られていた。風化しつつある戦争の記憶を紐解きながら、いま私たちは何を受け継ぎ、何を未来へ残すのかを問いかける一冊。
本文をチラ見せ!
日本が今、壊れそうになっている。壊したくない日本とは何なのか、これからの日本をどうしたいのか、コメ問題も含めて混迷を深めている。こうした状況では、歴史を研究し、新しい知識や見解を得る“温故知新”を実践したい。
日本人は人種分類上、モンゴロイドに属する。黄色人種、蒙古人種とも訳されている。息子にも孫たちにも幼児の頃、蒙古斑があったから、自分にもあったはずである。出現地と思われる蒙古(モンゴル)とは…
6月25日(木) 14時~
『1990年夏 ソビエト社会主義共和国連邦で川端康成の『雪国』を読んでいた』
小辻 富明
パンもない。煙草もない。超大国が終わる
バブルの熱に浮かれていた日本から、著者は崩壊寸前のソ連へ向かった。
モノ不足、KGBの気配、そして日本研究者のソ連人女性との出会いを通じて、日本について深く知っていく。
歴史の転換点を目の当たりにした若者の見聞録。
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1990年。ブルーハーツの『情熱の薔薇』やサザンオールスターズの『真夏の果実』
がよく街に流れていた。
タイトルにある1990年は日本ではバブルの最後の年である。
世界の中でも日本の存在は大きく日本人みんなが勘違いしていた時代。パナソニックはユニバーサルスタジオを買収しソニーはコロンビアピクチャーズを買収し三菱地所はニューヨークのロックフェラーセンターを買っていた。
調子に乗った日本人がアメリカの誇りである…
今月もお楽しみに!