第1章 地ケア病棟開設前

地域包括ケアシステムという言葉をよく耳にするようになったのは2010年頃からだと思う。

法令上の定義は、「地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域で、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防、住まい及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制」である(法律の正式名称は、「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」2013年法律第112号)。

高齢者が要介護状態になっても住み慣れた場所で自分らしい暮らしを最後までおくれるように、地域が一体となり支援体制を構築する仕組みである。

2014年度診療報酬改定で、身体科病院では地域包括ケアシステムの概念を基本に地域包括ケア病棟が新設された。

在宅復帰に向けて支援する病棟で60日までは入院料を算定できる。

当院でも医療療養病棟があるため地域包括ケア病棟への移行について検討したが、当院の医療療養病棟への主な入院経路は精神科病棟からの合併症治療のため算定基準をみてすぐ断念した(在宅等からの入院患者が少ないのと長期療養が必要な患者が多いため)。

2017年2月には「これからの精神保健医療福祉のあり方検討会」報告書において、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが地域の一員として安心して自分らしい暮らしができるよう、医療、障害福祉・介護、住まい、社会参加(就労)、地域の助け合い、教育が包括的に確保された、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築を目指すことを新たな理念として明確にした。

身体科病院と同様にいずれ精神科版地域包括ケア病棟が新設されると予想したが、コロナ禍を経て2024年度診療報酬改定で地ケア病棟が新設された。地域包括ケアシステムの理念に基づき、1年間で180日以内なら何度でも入院できるが、7割以上は在宅等への退院と積極的な精神科在宅医療の提供が必要である。

ここでは地ケア病棟開設前の当院の状況について述べる。

 

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