はじめに

本書は、古代の家族制度と太パパ源氏、遊女、中世の辻君、近世の遊郭、近代の乙女・処女、村のヨバイ、からゆきさん、現代の援助交際、パパ活まで、日本の男女交際千年余の歴史民俗を、一晩で一気に読めるようにした研究書です。

古代王権における女性の宗教的な優位性がなかったわけではないが、総じてこの千年余は、男性中心の力による政治、貪欲な経済(ノーベル経済学賞ゴールディン)があり、その結果として、男社会の国家、経済があり、そのなかでの男女の交際の歴史を記した。

そうした男性中心社会の限界、現代における男女交際の大きな変化についても述べています。

千年余の男性中心社会の男女交際史からみると、男性中心社会の課題は依然と残るものの、現代の援助交際・パパ活は、情報の取得(スマホ、SNS)において男性と平等であり、女性自身の身体(カオ・カラダ)セクソロジーの利用に関して、男性のヤクザ・ブローカーが搾取することもほとんどなく、女性自身が決定権を持っている。

これは大きな歴史の変化です。明治時代にできた一夫一婦制の近代家族が標準ではなくなりつつある現代、一九八五年以降、それまでの男性が女性のカオ・カラダを男性顧客に売る組織売春から、女性が自らのカオ・カラダを男性に売る売春個人営業(援助交際)に変わった。

二〇一四年以降、女性がスマホで情報を発信して、自らのセクソロジーを、対面コミュニケーション・情報コミュニケーションの能力で、自ら価値(値段)を決めることができるようになった。

女性は、男性の管理のもとに売り飛ばされるプロの売春・愛人稼業を脱し、素人がフリーマーケットやメルカリのように展開する小割販売の個人事業者となったのです。

無論、援助交際における青少年の犯罪被害、若者の貧困によるパパ活の問題点は承知したうえで、本書は、今、起こっている現象の説明として、男女交際の歴史的転換点に我々がいることを分析し、一夜の物語として描いてみました。