まえがき

ほとんどの方が、〝コンサル風情がなんでこんな本を書けるのか?〟とか、〝コンサルが書いたこんな本なんて価値がない〟であったり、〝こんな聞いたことがない大学の出身者が書いた本など価値があるのだろうか?〟と思われると思います。自分も読者の立場だと、同じ考えを持つと思います。

自分の過去を振り返ってみると、子供の頃からやはりちょっと変わった思考を持った人間だったと思います。あれは確か中学から高校生の頃だったと思いますが、自分が住んでいた辺りで区画整理が行われ、新しい道が作られ、そのために既存の住宅は撤去するか、または移動させられていきました。その時感じたことは、「便利は不便だ」ということです。

自分が住んでいた所は、街と田んぼとのちょうど境界にあたる地域で、自動車がほとんど通らない裏道や空き地、そして住宅と田んぼが混在している地域でした。裏道や空き地は遊び場であり、日が暮れるまで、または晩御飯まで遊んでいました。区画整理によって子供の遊び場がなくなり、その代わりに無味乾燥な公園ができました。

公園ができた頃は既に高校生になっていたので、子供の時のように遊ぶことはなくなりましたが、道が整備されたことで確かに便利にはなりました。しかしこれでよいのだろうか?という疑問は残りました。却って不便になり、不都合になったことも多いのではないだろうかと……。

その後アメリカに留学したのですが、その頃はまだアメリカの古きよき面が残っており、まだ〝アメリカンドリーム〟の可能性が残っている時代でした。そしてアメリカの効率的な考え方に触れることができ、日本はなぜこれほどまでに非効率で、ムダが多く、そして判断力が低いのだろうかと考えるようになりました。

そして就職し、転職を経験した後に、IT関連のコンサルティングを行う会社に就職しました。コンサルタントといってもその業務内容は様々ですが、いろいろな問題に対峙する活動が続きました。様々な問題の解決策を考える際に、その問題の根本原因を把握しないと、適切な解決策を導くことはできません。

コンサルタント活動を行う場合、〝ナゼ?〟を3回繰り返す必要があるといわれていますが、時には3回以上の〝ナゼ?〟を繰り返さないと、根本の原因に辿り着けない場合もたくさんあります。〝ナゼ?〟を繰り返すことで、企業内(自分にとっては顧客企業)には、表面的な課題の奥にある問題や原因が見えてくるようになります。

このような課題の深掘り、言い換えると頭の体操を常日頃行っていくうちに、企業内での根本の原因は、社員の経歴・立場や生立ち、または社風や企業文化、そして他人に依存していること等が根本の問題点に大きく影響していることに気が付くようになってきました。