瑠璃のひかりラピスラズリの あをを深み 中津の沖を流れはじめたり
十二月
二十八日
たまきはる 冬の日の逝き、よどの面輪の 膚を刺せるあをきいろはも
十二月
二十八日
淀川。よ 雪降りきたる。中津の沖 鳥の黒き背に雪ふりにけり
十二月
二十八日
偉大なる都市はその真っ只中に巨いなる川を蔵している。
ニューヨーク・ハドソン、ロンドン・テムズ、カイロ・ナイル――。そしてここ大阪に滔々と流れる巨いなる川を、朝も昼も夜も眺め、睨み、心の叫びを歌に綴る男がいる。
言葉と現実。その関係を追い、ときに追われながら、男が吐き出した短歌の群れ。
商都・大阪を潤し、育ててきた淀川。この川に魅せられ、その姿をファインダーに捉え続ける男。彼は、日々姿を変える淀川を写し続けるとともに、思いの丈を短歌に込め、書き溜めてきた。
淀川の姿を、日常の小さな出来事を、そして最愛の母との別れを言葉に託し綴った短歌集を連載でお届けします。
瑠璃のひかりラピスラズリの あをを深み 中津の沖を流れはじめたり
十二月
二十八日
たまきはる 冬の日の逝き、よどの面輪の 膚を刺せるあをきいろはも
十二月
二十八日
淀川。よ 雪降りきたる。中津の沖 鳥の黒き背に雪ふりにけり
十二月
二十八日