やっぱり奇跡だ……。

こうして振り返ると、私は君が大切で。大好きな心友なんだ。一人の人間として、こんなに尊敬する人はいない。出会えない人生はどうしても選びたくない。

孤独と戦っていると思っていた私は、自分で自分の事がどんどん好きになっていったのだから。

健康である事は素晴らしい。誰だって『健康第一』『健康だけが取り柄』なんて言葉にしたり、聞いた事もあるだろう。

その言葉はどこか線引きされているようにも感じ、心を寂しくさせられていた。

けど私の場合、不健康でなければ君に辿り着く事はできなかった。

不安で怯えていた時間は無駄じゃない、嫌な事ばかりでは無かったと、一番教えてくれ、今でも教え続けてくれているのが……君なんだ。狭い世界で必死に生きていたから。

雨の日は雨音に責められているように聞こえ両手で耳を塞ぎ、布団から出られなかった。

密閉空間が怖くて、ついには眠れなくなり、睡眠薬が処方された。真冬なのに一人が怖くて、毎日部屋のドアを開けて寝ていた。 

これからずっと変わらない人生なのかなって。そう思うと辛くて、そんなことを考えてしまう自分が嫌で、無理矢理にでも元気な姿を見せたくて。

何か一歩でも踏み出さなければと……。それが、イベントへ応募する事だった。

あんなに毎日が怖くて、親が出掛ける時には一緒に車に乗るか、留守番をするか。その頃の私にはどっちもできなくて……。

いつも母が家に残り、父だけで買い物に行ってもらっていた。

でも、分かってる。

『今のまま生きていくのは苦しすぎる』って。リスクを背負ってでも、何か行動を起こさなきゃ何も変われない。

自分が楽しいと思える事が欲しかった。

当時、『生きる』と言う世界から追いやられているような症状に襲われていた私は、どうしても君と出会わなければいけなかった。出会えていなかったら、一体いつまで閉じこもっていたのだろう。

でも君は、何も思っていないんだよね……。助けたつもりも無い、調子悪い時は休めばいい。お互い会える時に遊べばいい。なんて温かいんだろう。本当に、本当に、奇跡だね。

 

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