実際、このビデオ通話面談で上司と部下の関係がつまずき強く叱られ、退社する社員もいた。入社して一年以上勤務を続けるのが大切なのである。
社長が不在でも社内に緊張感が必要なのだ。この事務所では、新入社員として採用され、一年以内に退社する社員が約半数である。外資系の貿易商社で、英語を使って仕事をする会社である。小企業なので新卒新入社員はいないが、就職先としてハローワークを通しての入社希望はそれなりにある。
社長は厳しく指導して、社員がついてこず退社しても、補充はいつでもできると考えている。
社員たちは九時三十分が過ぎるとコーヒーを淹れ、室内FM音楽をセットして、各自の担当業務に着手する。職場に社長がいないというのは本当に自由に仕事ができる。赤沢主任は三十六歳だ。東京の有名私立大学を卒業したが、三度転職をして、この会社に入社して三年目である。性格は明るく穏やかだ。
他の男性社員三人も中途採用の社員であり、営業と仕入れを担当している。男性社員四人全員が他の会社の仕事の経験があるが、他人の担当の仕事にはほとんど口出しをしない。赤沢主任は立場上、全員を見守っている。女性社員六人も中途採用の人たちだ。パソコンを活用して、経理処理、顧客データのメンテナンス、仕入れの管理をやっている。
そのうち一人は、社長の娘で二十歳になる。ロシア人美女である。背は高く金髪のロングヘヤーで色白である。モデルとして声をかけられたこともある。東京の大学二年生だが、週に二回会社に顔を出している。
会社の雰囲気は和気藹々(あいあい)として不満は少ない。しかし、会社への不平不満や社長や会社経営への悪口は注意しなければならない。娘から社長に報告される懸念がある。総じて、各自の仕事をそれなりにこなして、社長の厳しい叱責さえ耐えられれば良い職場なのである。
服装はカジュアルで背広は着ないしネクタイもしない。靴も革靴を履いている人はいない。自由度が高い。そういう意味でも九時からの三十分は「修練」の時間なのである。
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