【前回の記事を読む】100万円が足りなかったはずが翌日には用意されていた…豪華すぎる花見例会の裏で何が起きていたのか
8 職業奉仕委員会
僕は、クラブで職業奉仕委員会に所属していたことがある。
うちのクラブの職業奉仕活動とは、せいぜい会員の営む事業所の見学程度のことで、たまに会員の市議会議員のツテで市議会本会議を公聴したり、同じく会員の弁護士先生の紹介で最高裁判所の見学や刑務所の見学をするなど、あまり直接には奉仕活動に繋がるものではなく、それが終わったあとの反省会と称した宴会がメインの活動であった。
あるとき委員長から、
「君が教えているTK大学を見学し、ついでに面白い教授が講義している授業を拝聴し、最後に学食で昼食を食べて昔日の学生時代を思い出したい」
という無理難題が提示された。しかし答えは、いつもの「ハイ!」だ。
加えて会員一人につき、女子大生二人を案内役に付け、学内を自由に見学できるように取り計らった。
なんでそんな無茶が出来たかというと、当時、僕はその大学の副学長を務めていて教授たちにも無理が効いたこと、女子大生にはロータリアンという人たちは皆、会社の経営者だから君たちの就職活動に役に立つかも知れないよ、との痴(し)れ言(ごと)が通じたからだ。
会員には、講義時間割表を渡して自由に好きな授業を拝聴してもらい、予め決めた時間にガイド役の女子大生と一緒に学食に集まることだけを決めておいた。
しばらくして、皆、自分の子供や孫のような女子大生に引率されて嬉しそうに学食に集まってきた。学食で感想を聞くと、皆さん大好評。ぜひ来年度もこの企画を継続して欲しい、とおねだりする会員(故人SUさん・プラスチック製品)もいた。
……こんなことが職業奉仕になるのかね? でも毎年度、似たり寄ったりの活動しかしてこなかったから、少しは刺激になったのかな。