ところで職業奉仕とはロータリーでもっとも重要な理念で、ロータリアンになる資格の第一は職業人であることが最低条件とされる。ロータリアンは自らの職業を通じて社会に奉仕することが必要で、そのため職業を有しない者は入会できないのだ。
一方、同じく世界的な奉仕団体であるライオンズクラブは、職業の有無とは関係なく、例えば高校生なども奉仕の心さえ持っていれば参加できる団体であるとの違いがある。
このロータリーの「職業奉仕」という概念をこれまで多くのロータリーの碩学(せきがく)たちが百家争論、タテからヨコから、オモテからウラから、明確に説明する答えを導き出そうとしてきたが、これまで誰もが納得する解答にはお目にかかっていない。
さらには、最初にロータリーの基礎に「service」を据えたのは、アーサーF・シェルドン(※1)だということは知っているが、大体、「serve」、「service」の和訳でさえ、「奉仕」では納得しない向きが多い。
※1 初期ロータリーの指導的人物
僕は、これを単純に「貢献」と訳すべきだと思うが、それでもすべての状況に当てはまる訳語にはならない。ついでに言えば、「忠恕(ちゅうじょ)」という語も僕のなかでは有力な訳語なのだが、あまり賛成する者はいない。
僕は大学の授業で、一度、ロータリーのことを何も知らない学生たち約三○○人に対して「service」の和訳を試験に出したことがある。
一番多かったのが「貢献」であり、「奉仕」と訳した学生はほとんどいなかった。
日本のロータリーもその和訳において、もう少し一般受けするものを考えた方が良いのかもしれないと感じた。
次回更新は12月21日(日)、8時の予定です。
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