土曜日。
「どこか出かける?」
「いや、ずっと部屋にいる」
「ええっ? 何をするの、部屋で」
「ずっと、くっついている」
「何、それ?」
「だって、もう離れるのは嫌だ」
抱きしめた。こんなに甘い美樹、離したくない。
「お買い物に行こうよ」
「記念になるやつ?」
「ええ、そうしましょう」
「分かった」
ホテルの部屋を出てから手を離さなかった。
「ねぇ、どこも行かないよ。手を離してもいいよ」
「ダメだ。本当はおっぱいを触りたい」
「嫌だ~、おバカさんね。うふふふ」
「君の側だったら、おバカさんでいられる。アハハハハ」
素敵なダイヤのネックレスを記念に買った。その場で着けて、
「よく似合っているよ」
「ありがとう」
カフェでお茶。
「ねぇ、美樹、結婚しよう」
美樹はびっくりしてケーキを落とした。これ以上、離れるわけにはいかない。恐ろしい。身震いがする。
「えっ! どうしたの急に」
「あの三か月、苦しかったし悲しかった。寂しかったよ。もう、離れたくない」
会えない苦しみが怖い。側にいて欲しい。
「ちょっと待って、もう少し考えようよ」
「どうして」
次回更新は12月30日(火)、22時の予定です。
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