プロローグ 宇宙の目覚め

広大無辺の宇宙、その中に無数の銀河が存在する。この壮大な空間の中で、天の川銀河を含む13の銀河とその裏側に位置する13の裏銀河が、ある運命的なときを迎えようとしていた。それは、古代より予言されていた「ハイブリッドユニバースエネルギー*1」による進化の瞬間である。

このエネルギーは宇宙の進化の中で創造された宇宙の根源的な力が具現化したもので、次元を超えた繋がりを築き、魂の覚醒、環境との調和、未来の創造に向けた変革を可能にする。つまり、13銀河と裏銀河を一つに統合し、新たな次元の扉を開く鍵となるのである。

宇宙全域の最高意思決定機関である銀河評議会の本部「ステラリウム*2」は、宇宙進化の中枢として「ハイブリッドユニバース」を活用する計画を主導していた。

多次元空間に位置し、天の川銀河、アンドロメダ銀河、新銀河の代表者たちが集い、宇宙中の知識と英知を集結するこの荘厳な施設で、評議会議長アラストールは、銀河の進化に向けた議論を重ねながら、地球という特異な惑星に目を向けていた。

地球は13銀河の縮図として設計され、その存在は宇宙全体の進化を映し出す鏡とされていた。だが、長い間、地球は分離と葛藤のエネルギーに囚われていた。古い意識の重みが地球を覆い尽くし、次元上昇の兆しは遅々として進まなかった。しかし、ここ数十年で地球に異変が起こり始めた。

異常気象、磁場の乱れ、そして夜空に現れる神秘的な光。それらは地球が宇宙全体と共鳴し、新しいエネルギーを受け入れる準備を始めている兆候だった。そして、それは地球に住む人々の意識にも影響を与え始めていた。多くの人々が夢の中で未知の光を見るようになり、宇宙からのメッセージを受け取る者も現れた。

その中の一人が、主人公レイアだった。

レイアは幼少期から特別な力を持っていた。彼女の瞳には、宇宙そのものを映し出すような深い輝きが宿っていた。彼女は時折、夢の中で銀河の声を聞き、無限の光の中を漂う感覚を体験していた。彼女自身はそれが何を意味するのか分からなかったが、ある夜、すべてが明らかになる出来事が訪れる。

一方、影の勢力であるヴェリクスは、次元上昇を阻止する計画を進めていた。彼は宇宙の古い秩序を維持し、進化を止めることで自らの支配力を保とうとしていた。彼の目的は、13銀河と裏銀河のエネルギーを奪い、宇宙を混沌に陥れることだった。

ただ、「彼」とはいっても人間などの生命体として存在するのではなく、進化を食い止める意識「闇」の集合体であり、宇宙の方々に散らばる個体意識がそれぞれ独自に進化防止活動をしている。

各銀河、星系、空間に散乱する闇がそこで蠢きながら、エネルギーの均衡や光と闇のバランスが崩れているポイントなどに局地的な混乱を生じさせているのが現状だ。「闇」はヴェリクスの一部であり、ヴェリクスもまた「闇」の一部である。