「交際したいということではない、ただ気持ちを伝えたかったから電話した」という私に、彼女は電話の向こうで戸惑っていました。何と無意味で無責任な行動だったと、本当に後悔しています。ただ彼女を困らせただけでした。そんな電話ならすべきではなかったのです。

その後、卒業の日までよそよそしい関係が続きました。お互い気にして声をかけることを避けていました。

後から友達に聞きましたが、その時彼女が好きだった相手はいなかったようで勝手に思い違いをしていました。「彼女から直接、聞いたことはなかったけど、可能性が高かったのはお前かもしれない」友達は笑って言いました。半分からかっているのは分かりました。

好きになってくれた子と好きになった子との思い出は、自分のことしか見えなかった私の未熟さだけを教えてくれました。高校時代のことです。

出会い 学生時代 

 

私の学生時代は、振り返るとサークル活動と学生運動、麻雀、パチンコで遊んでいただけでした。

真剣に勉学や活動に取り組んだ人には、何にも代えがたい時代と振り返ることができるのでしょうが、私にはそれほど熱い情熱を懸けた自覚もなく、ただ通り過ぎていった時間のようです。学生として、学問を追究したという印象も全くありません。

卒業証書は探せばありますが、ゼミ論や卒論を書いた記憶もありません。そんなことを言うと、誰もがそんなことはないと否定します。でも、私にはそうとしか思えないのです。今振り返ると卒業できたのが不思議です。学問ということでは、後悔ばかりの4年間でした。

大学に入学して2か月ほどは、不登校の毎日を過ごしていました。

次回更新は4月6日(日)、7時の予定です。

 

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