エッセイ 小説 絵本・漫画 絵本 動物 現代社会 人気連載ピックアップ 2025.02.22 「あんまり食べさせると大きくなるらしいから、あげなくていいだろう」朝になってやっと、ほんの少しご飯をもらえた。 【前回記事を読む】お願いです、ごはんをください「よく吠える子ね、お隣の子は全然吠えないのに」いまわたしがほしいのは、ごはんとお水です! 次回更新は2月23日(日)、18時の予定です。 【イチオシ記事】あの人は私を磔にして喜んでいた。私もそれをされて喜んでいた。初めて体を滅茶苦茶にされたときのように、体の奥底がさっきよりも熱くなった。 【注目記事】急激に進行する病状。1時間前まで自力でベッドに移れていたのに、両腕はゴムのように手応えがなくなってしまった。
小説 『約束のアンブレラ』 【第3回】 由野 寿和 なぜこの場所にいたのか…ずぶ濡れだった少女の靴についた泥の一部は乾きかけていた 「遺体は三十代半ばの女性。薬指には婚約指輪だ。三ヶ月前の九月三十日に失踪した久原真波(くはらまなみ)に酷似している」「にしても失踪届が親族から出されたのは三ヶ月も前です。遺体の腐敗は進んでいるのではありませんか?」「理由は三つある。あの傾斜は地面から二メートル近い場所にあった。地中深くに埋めることで微生物などの影響を軽減し腐敗が遅れた。そして低温環境だ。冬という季節に加えて、この藤山は高山地帯と…
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【第20回】 春山 大樹 殺人事件だとして、最も被害者を憎んでいたのは彼女だ。しかも看護師の彼女なら、アラームを鳴らさずに人工呼吸器を止めることも… 午後十七時頃、主治医の山下真奈美が海智の病室に回診にやって来た。相変わらずの無愛想である。「どうですか?」(どうですかも何もあったもんじゃない。入院して血液検査とエコー検査をしただけだ。それで何か変わりがあればこちらがびっくりだ)と思ったが、「変わりありません」と海智も無表情で返してやった。「退屈でしょうけど、大事な検査なのでしっかりやっていきましょう」そう言って部屋を出て行こうとする女医を海智…