はじめに
私は、来年還暦を迎える散髪屋さんです。
父母が、二人で理容室を経営していたので、子供のころからいつもたくさんの人に会って育ちました。
当たり前ですが、全く同じ人は居ません。人の数だけ個性があるのだと、だんだんと人の魅力に目覚めていったような気がします。人は面白い。自分が真剣に向き合うと、人も真剣に向き合ってくれます。雑に扱うと雑に扱われます。自分がしたことは良くも悪くも必ず返ってきます。
高校在学中、父に通信教育の理容学校(2年間)に、ほぼ強制的に入れられました。まぁいっか、ぐらいで入った理容学校にはあまり興味もなく、夏休みと春休みに通っていました。
高校を卒業して、だらだらと自宅で研修まがいの見習いをしていました。その年の夏休みに、大学に行った同級生の寮に数人で遊びに行きました。
そこに居た同級生たちは、それぞれの勉強、アルバイト、プライベートと、みんないきいきと生活をし、私だけ腐った魚のようなだらけた生活をしていて、置いてけぼり感を半端じゃなく感じました。帰宅後、居てもたってもおられず、仕事終わりと休日に実家の店を手伝うという条件で 4か月の臨時パートの面接を受けることにしました。
無事、9月から採用になり、8時出勤17時退社、時々残業2時間の生活に入りました。
2か月くらいで、ほぼその部署の仕事を覚え10人ぐらい居た部署の人とも仲良く楽しくしていました。4か月経過しそろそろパートも終わりのころ、部長に呼ばれ、もう少し来てほしいと言われました。3月の理容学校が始まるまでならと、延ばしました。
3月にまた言われ、8月の理容学校が始まる前まで延びました。その後またと言われましたが、8 月で理容学校を卒業して、9月からはインターンに入るため、私のパートタイマーは、約11か月で終了しました。
その時、会社も楽しいけれど、理容師なら毎日違う人が訪れます。人間好きの私の性格なら、理容師のほうがもっと楽しそうだと思い理容業に真剣に向き合うきっかけになりました。とても良いきっかけだったと思います。