第4章 US Navy Police
PART20
2020年7月
Companyからメールが来た。
メキシコ境界線警察への支払いは全額完了した。アメリカ合衆国への通行許可が認められた。これから荷物はアメリカ合衆国に向かう。24時間以内にアメリカに到着する日にちをフロンベルクに知らせる。メールのチエックをしてほしい。
もうすぐ荷物はわたしに届く――ウイルソンにもすぐ会える。
翌日Companyからメールが来た。わたしは荷物がアメリカに着いたか、と喜んだ。Companyからのその知らせに衝撃を受けた!
Companyの知らせでは、今荷物はアメリカNashville City in Tennessee、テネシー州の境界線に着いた。
境界線のUS Navy Policeに荷物は止められた。Navy Policeは通過を許可してくれない。通過許可代金$30,000(約312万円)の支払いを命じられた。
コロナの為に荷物の積み下ろしをする際の荷物のクリーニング代$15,000、通過許可代金$15,000。合計$30,000。CompanyはわたしにUS Navy Policeへの通過許可費用を要求した。
Companyは以前の支払いの時と同じようにわたしに告げる。支払い不可能な場合は荷物はシリアに返す。少しずつでいいから支払ってくれればいいと、以前の支払いの時と同じように告げてくる。
少しずつと言っても、支払い完了は4週間以内の条件。長期にわたる一般の支払いとは全く訳が違う。
―短期間で大金を支払う余裕なんかわたしにはないよ。
もうこれまで充分、荷物にかかった高額なお金をウイルソンの為に支払っている。Companyはお金の届け先をわたしに送ってきた。移民局、裁判所、メキシコ境界線警察への送金方法と同じように個人宛の住所を。
早速この事をウイルソンに報告した。彼はいつもながら電話の向こうで泣いている。そしてわたしに哀願する。荷物はアメリカに着いてるんだし、もう他の支払いは要求されないよ。US Navy Policeへの支払いが最後だよ!
I believe the Navy’s payment is the last payment.荷物は絶対テルヨの所に届く。荷物からお金を取り出してくれればいい。これまでテルヨが振り込んだ全額を絶対テルヨに返済する。
US Navy Policeのこの通過許可代金の事でわたしはウイルソンに約束させた。CompanyがNavy Police以外の支払いを要求してきた場合、わたしは絶対払わない事を。
わたしはNavy Policeの通行許可代金$30,000は支払う事にした。わたしもNavy Policeへの支払いが最後だと思った。荷物はアメリカに着いているんだし。もう他に要求される事は無いと思った。
US Navy Policeへの送金が今からまた続く。これまでと同じように現金を箱にパックしてCompanyから送られてきた個人宛の住所に送った。送り先はテキサス。1回に$6,000ずつ、5回に分けて$30,000を送る。
Campanyの指示どおり4週間以内で終わらせたい。でも4週間では事は進まないだろう。コロナの為かどうかパックが届け先に着かない事があった。そのつどパックを送った郵便局に行って確認した。
郵便局のスタッフいわく、コロナの為届け先に予定どおり届かないこともあるとのこと。届け先に連絡が取れず、ひと月半かかってパックがわたしの所に送り戻された事もあった。