6月の新連載のお知らせ

雨の日はおうちでゆっくり読書♪
6月は14作品が連載スタートです!


6月1日(土)
8時~『29歳、右折の週』言田みさこ
18時~『ツワブキの咲く場所』雨宮福一
20時~『ぽろもきの冒険』エゾノはやと
22時~『アイスランド、元大使が綴る意外な素顔とその魅力』北川靖彦

6月2日(日)
18時~『誰も知らない本当の『古事記』と日本のかたち』田中善積
20時~『伊豆の御社』ほそやまこと
22時~『大王の密使』都丸幸泰

6月15日(土)
8時~『今を大切に 君の人生だよ 』青山珪香
18時~『最高のセカンドライフは海外転職で』宮永保文
20時~『どっちがいい?』やまじすみ・作 あやみ・絵
22時~『旅の食卓』小手川映子

6月16日(日)
18時~『しょぼくれしょぼ造』アソウカズマサ
20時~『ねぇ!ばあば』akiko
22時~『青の中へ』くんぷう
 

6月1日(土)8時~

『29歳、右折の週』
言田みさこ

胸を焦がす恋、でも結婚は別

 

昭和のアラサー女子の数奇な恋愛物語
人生には意外な伴侶が待っている

高校を卒業して11年。あさみは、電力会社に勤める山川と婚約した。プレイボーイ越前に恋焦がれていたが、誠実な山川を選んだのだ。しかし女子高時代からの友人理緒子が山川に無理やり会ったことから、あさみの幸福な人生は波乱に巻き込まれていく。

本文をチラ見せ!

高校を卒業してはや11年。あさみは和代に声をかけて一緒に母校を訪れた。
「だって理緒子(りおこ)が結婚するんじゃなくて、あたしが結婚するのよ。理緒子がいくらダメだと言ったって、本人のあたしが良ければいいじゃない。そうでしょ? なのになんで見に来るわけ? 結婚式に招待するんだから、 そこでたっぷり観察できるじゃないの。違う?」
昼下がりの東横線の車内はすいていたものの、あさみが肩を和代に押し付け、鼻息も荒く話していたので、和代の丸く太った肩は反対側のパイプに食い込んで押しつぶされそうだった。そのため、うん、うん、と相槌を打つ和代の振動がもろにあさみに伝わり、さらに話に熱が入った。それでも、他の乗客には思い思いの関心事があり…

   

6月1日(土)18時~

『ツワブキの咲く場所』
雨宮福一

救いとは、信じるとは、いったい何なのだろうか

 
 

宗教二世としての過去と、統合失調症に向き合う中で掴んだ一筋の光。
暗闇でもがく全ての人々へ捧げる、祈りと再生の物語。

統合失調症を患う青年・涼のもとに届いたのは、疎遠だった妹からの「両親の過去について知りたい」という手紙。
宗教二世として生きていた頃の辛い記憶が蘇った涼は、「こらーる岡山診療所」に助けを求める。そこで主治医の山本先生に勧められたのは、とあるキリスト教会で行われている勉強会だった。
「神様なんているのだろうか」複雑な思いを抱えながらも、涼は聖書をめくり始めた――
どんな状況でも、そばで支えてくれる人は必ずいる。
著者自身の経験をもとに描いた、心揺さぶられるヒューマンドラマ。

本文をチラ見せ!

夏のような濃い青色をした空には、雲が浮かんでいる。草原はどこまでも広がり、湿度のなさが埃っぽさと相まって、ここが日本ではないと感じさせる。それなのに暑くもなければ、寒くもまたない。
音は聞こえず、風は吹かない。
「ここは......」
私の目の前には…

   

6月1日(土)20時~

『ぽろもきの冒険』
エゾノはやと

国を越えた壮大な冒険がいま始まる!

 

独りぼっちだったぽろもきが出会った大切な仲間たち。
それぞれの個性を活かし、力を合わせて世界を救うことはできるのか。
生き生きとしたイラストと共に彩るファンタジー小説。

ここは、地球によく似たとある惑星のとある国。
計算能力によって職や階級が決まる大都会島に、「ぽろもき」という1人の少年がいた。
計算が苦手で職につけず、家を追い出されて自然島で暮らすことになったぽろもきは、自分の不甲斐なさに落ち込む日々を過ごすなかで、孤独を感じる少女「のと」と出会う。
のとと次第に心を通わせ小さな幸せを手に入れたぽろもきだが、ある時謎の少女が現れたことで、世界の平和を守るための大きな戦いに巻き込まれていく……。

本文をチラ見せ!

これは、我々が現在暮らしている地球とそっくりな状態の別な地球の話である。その中の1つの国は、11国といい、4つの島に分かれていた。大都会島、都会島、自然島、大自然島の4つである。
ぽろもきは大都会島で生まれた。大都会島は、高層ビルが立ち並ぶオフィスタウンとマンション街が島の中央にあり、その周囲を高級住宅街と工業地帯が囲んでいた。
この島の特徴は、住民が全てエリート階級であることであった。子どもの頃から、コンピューター操作能力と計算能力を鍛え、一定の年齢になると…

   

6月1日(土)22時~

『アイスランド、元大使が綴る意外な素顔とその魅力』
北川靖彦

未知なる北欧の楽園へ

 

オーロラや白夜などの定番情報から、ガイドブックには載っていない、ユニークな歴史、文化、人々まで。
日本大使として3年4ヶ月駐在した著者がたっぷりと紹介!

本文をチラ見せ!

アイスランドの国名(英語Republic of Iceland、氷語 Ísland )をそのまま日本語に訳すと「氷の国」になる。由来については諸説あるものの、9世紀後半に入植したノルウェー人ヴァイキングが、山の上の氷河を見てノルウェー語の「イス=氷」と「ラント=国」の合成語「イスラント(Ísland)」と命名し、それを後世の人々が英語読みしてアイスランドになったという説が有力だ。 国名はともかく、現在ではアイスランドは「火と氷の国」とよく言われる。その理由は…

   

6月2日(日)18時~

『誰も知らない本当の『古事記』と日本のかたち』
田中善積

日本とは何か、天皇とは何か。

 

「『古事記』が天皇支配を正当化するために編纂された」は誤解であり、
『古事記』には世界最長の王国・日本の皇統維持の秘密が隠されている。

編纂者である天武天皇が遺したメッセージを紐解き、
その真の意図と壮大な構想を今こそ明らかにする――。

・なぜ、女性神の天照大神が天皇家の祖神なのか。
・なぜ、出雲神話が『日本書紀』に書かれていないのか。
・なぜ、天地開闢神話が『古事記』と『日本書紀』では違うのか。
・なぜ、『古事記』は神で『日本書紀』は 尊なのか。
・なぜ、同時期に二冊の史書が編纂されたのか。

――答えはすべて本書の中に。

本文をチラ見せ!

日本はどのような国か。天皇とは何か。天皇はどうあるべきか。この問いの答えは『古事記』の中に書かれてある。なぜ、それが今まで読み解かれなかったのか。イザナキ、イザナミの国づくりの際の会話と「ヒルコ」を誤って解釈してきたからである。
従来の 『古事記』 関連本には、 「私の出っ張った部分とあなたのへこんだ部分」の会話を性交の意味と捉え…

 

6月2日(日)20時~

『伊豆の御社』
ほそやまこと

この世界は、不思議に満ち溢れている

 
 
 

神秘的な御社の主の声、亡くなった犬たちとの会話、憑依した死者からの訴え――。
目に見えない超自然現象や人ならざるものとの交流を描いた五つの短編小説集。

内と外が繋がる「ゾーン」に入ると、時間の感覚が消え、不思議なことがよく起こる。
ある日、愛犬を亡くした女性のために犬の肖像を描いていた時、何かが「ボク」に語りかけてきて……。――『不思議と出逢うところ ―ゾーン―』
薄暗く、鬱蒼と生い茂る木々の中にたたずむ、伊豆の御社。
荘厳な境内に一歩足を踏み入れた瞬間、霊的エネルギーを非現実的と考えていた「ボク」の世界は一変した。――『伊豆の御社』
『不思議と出逢うところ ―ゾーン―』『伊豆の御社』他、三作品を収録。

本文をチラ見せ!

ボクの家は海から一山越えた丘の中腹にある住宅街の一画にある。住宅街とはいっても区画整理と整地を終えたばかりの空き地の目立つ山とミカン畑と野菜畑と、そして、新興の住宅街がごちゃ混ぜになった居住域で、昔ながらの山村の風景と新興住宅街の気忙しさが無理なく共存している。
その付近には手つかずの山や林や竹藪がまだあって、さほど街中でもないし、過疎の田舎でもないから煩わしい近所付き合いがあるわけでもなく、…

   

6月2日(日)22時~

『大王の密使』
都丸幸泰

国や時代を越え、「不死の術」をめぐる冒険が始まる。

 

秦の始皇帝に仕え、不老不死を求めて日本にやってきたとされている徐福。
それから八百年、厩戸皇子と隋の煬帝に遣わされた二人の密使により明かされる、徐福の術と巨大な策略とは。
飛鳥時代の日本を舞台に、中国に古くから伝わる伝説を描いた冒険小説。

斑鳩宮に、かつて武術師範として名を上げた老剣の姿があった。
「蝦夷に行き、八百年前に秦から来た渡来人の末裔を捜してほしい」
皇子の上命により、遠い北への旅に出た老剣一行は、遣隋使である仏僧・法広の感じとる「気」を頼りに、ある村に辿りつく。
そこで目にした火の山、不気味な土人形、そして古の方士・徐福の言い伝え。
村の者たちに残された使命を探るうち、一行は陰謀の渦に呑まれていく――。

本文をチラ見せ!

古都洛陽を出て、遥か西に向かう。新しい都、大興城がある。男はこの新しい都を初めて見たとき、その巨大さに驚かされたものだ。そして、この二つの都と長江を結ぶ大運河を造ったのが、新しい皇帝だった。更に国中を運河で結ぶことも、進められている。
新皇帝の考えることは壮大すぎて、男には到底、ついていけないものだ。しかも…

   

6月15日(土)8時~

『今を大切に 君の人生だよ 』
青山珪香

生きた言葉をあなたに届けたい

 

あらたな書芸術を模索しつづける書家からのメッセージ
こんな時代だからこそ、ぬくもりのある言葉を――
時代がどんなに進んでも、心に届くのは人のあたたかみ。
わかる。感じる。励まされる。
70年近い書人生のなかで、「だれもが読めて心に響く書のものを」との思いから、
多くを自作の文で制作してきた書家による作品集。

本文をチラ見せ!

 

自然に恵まれた ふるさと信州が 懐かしい

年を重ねると 一層強くなる

色を付け 詩のイメージを 出してみました

(室生犀星)

6月15日(土)18時~

『最高のセカンドライフは海外転職で』
宮永保文

これからの人生を輝かせたい人に捧ぐ

 

私はインドネシア滞在の五年半の間に実に多くの人と出会い、彼ら、彼女らから大きな影響を受けたのは間違いなく、それは金額では測ることのできない自分自身の大きな資産になっている。そして、この五年半はこれまでの人生の中で最も眩しく輝いていた時代で、今なお、その余韻を楽しんでいる。
(本文より)

本文をチラ見せ!

二〇一一年五月二十一日土曜日、成田九時十分発の全日空NH九三七便は順調に飛行し午後三時、スカルノ・ハッタ空港第二ターミナルに到着した。木材を多用した空港ターミナルの内装と入国審査に向かう通路の窓から見える中庭の熱帯樹に、私はインドネシアに来たことを実感し、軽い興奮を覚える。私はこの時、人生で初めてインドネシアに足を踏み入れた。
タクシーは空港のゲートを出るとすぐに…

   

6月15日(土)20時~

『どっちがいい?』
やまじすみ・作 あやみ・絵

NPO法人こども療育センター理事長による、子どもたちの「好き」を引き出す絵本

 

たべもの のりもの どうぶつ あそび
いちばんすてきなものを、えらんで、きめて…
キミのワクワクが、せかいをひろげる!

この絵本は、こどもが自分で「選ぶ」自分で「決める」機会が増えることを強く願う中で生まれてきました。
どんな些細なことでも、自分で「選ぶ」自分で「決める」ことを任されてきた子は、責任感、達成するための行動力、そして挫折から立ち直る力が強く持てるようになるといわれています。
あなたにとって大切なお子さんが『心の強い子に育つ』きっかけの一冊となれたら嬉しいです。(あとがきより)

本文をチラ見せ!

ばなな りんご
  どっちがいい?

ねこ いぬ
 どっちにする?

   

6月15日(土)22時~

『旅の食卓』
小手川映子

ワインが並ぶ食卓を、絵具で彩る食卓へ

 

知らない風のにおい、心ときめく料理、不思議と陽気になる人付き合い。
みずみずしいままスケッチブックに写された、旅の記憶と食をたどる絵画集。

スケッチブックと巡るヨーロッパ旅は、一杯のポートワインからはじまった。
青空のもと草花が揺れるぶどう畑、ひっそりと路地にたたずむバル、ガラス屋根から光溢れるパサージュ……。
ひとつひとつの出会いが、食の喜びとともに紡がれる。

本文をチラ見せ!

さまざまな旅で、皆が美酒に酔いしれる頃、私には秘かにしていることがあります。
「この幸せな時間を、画用紙に留めておこう」と考えているのです。バッグの中には、スケッチブックとペンと絵筆と絵の具。いつでも用意万端。
お酒を飲めない私が、長い食事時間を乗り切る良い過ごし方でもあります。
描き方は単純です。細い線を描くのが好きなので、まずは黒いペンで描き始めます。
配置を決め、その時々のテーマが決まれば、後は細かく描き込んでいきます。一番楽しい時間です。
ペン先の仕事に私の指は迷いませんが、さて色を差す段階になると、…

6月16日(日)18時~

『しょぼくれしょぼ造』
アソウカズマサ

どんな事があっても前に進む
どんな事があっても守りつづける
そんな心の強さが未来を創る

 

昭和生まれの著者が若者達に心の在り方を伝える

春造は、いつも道端にしゃがみ込んで虫や草花をながめています。
そんな姿についたあだ名は“しょぼくれしょぼ造”。
ある春の日、突然のカミナリで両親を亡くしてしまった春造は妹のオトを守るため生きていくことを決意します。
大切なものを守りながら大人へと成長してゆく物語。

本文をチラ見せ!

それは春のよく晴れた、爽やかな朝でした。
「おぉ~今日は畑日和じゃのぉ」と父さんは外へ出て大きく背伸びをしました。
眩しい陽の光に目を細めています。
すると、「ん? 春造、そこで何しとるんじゃ ?」
と父さんは庭の隅っこにしゃがみ込んでいる春造を見つけ…

6月16日(日)20時~

『ねぇ!ばあば』
akiko

人生の限界を超えた力強さと希望を見出すヒントがここにある。

 

幼少期から学生時代、そして二度の結婚生活や離婚後の苦難、さらには長年にわたって患った腎臓病と人工透析についてまで、波乱に満ちた人生のエピソードを明るく綴る。
腎臓病や人工透析に関するリアルな描写は、知識を深めるだけでなく人生の喜びと苦難を受け入れ、前向きに生きることの大切さを教えてくれる。
自分の限界を超える力強さと希望を見出し、より良い人生を送るためのヒントを記したエッセイ。

本文をチラ見せ!

昭和・平成・令和へと年号が移った今、昭和二桁生まれのわたしには、想像以上の時代の変化に驚きと感動でいっぱいである。

東京・下町に生まれ、大の祭り好きで神輿を担ぎ、手古舞で町内を練り歩く、物おじしない子供だった。
叔父からは、消極的な家族たちの中の突然変異だと言われていた。だが、争いごとは好きではなく、自分の気持ちを抑えてでも言い争いは避けていた。
昭和・平成・令和の時代背景の大きな変化を生きてきて、生で見て体験している自分自身が、まるでタイムマシーンで行き来してきたような夢のような気分になる。…

6月16日(日)22時~

『青の中へ』
くんぷう

大切なあなたに、とっておきの「青」を。

 
 
 

調色師の紫衣は、ステンドグラス作家の父が生前作りたくても作れなかった「青色のガラス」を求めていた。
そんな中、出張で訪れたドイツのシュテファン教会で、とある青年と運命の出会いを果たす。
急速に惹かれ合う二人だったが、彼には重大な秘密があった――

家族の絆や運命の糸が絡み合い、時を越えて再び交差するとき、世界は青で満たされる。
人間の心の機微を繊細な言葉で紡ぐ、愛と成長の物語。

本文をチラ見せ!

鎌倉の小町通りと若宮大路の間の路地に詩麻(しま)はいた。
「おじさん、鯛焼き二匹ください」
「はいよ!」とあんこたっぷりの鯛焼きを経木(きょうぎ)にくるんで渡してくれる。
おじさん、一枚写真撮らせて、とデジタルカメラを構える。
いいよ、と鯛焼きを手に極上の笑顔をこちらに向けてくれた。
ここの鯛焼きは天然ものだ。
鯛焼きでも一丁焼きの型で手焼きするのは天然、六匹分とか八匹分が一枚の鉄板に並んだ鯛焼きの型に流し入れて焼くのは…

 


雨の季節、新連載とともに心温まるひとときを。今月もお楽しみに!