そしてその夏休み中、新田のお母さんからママ宛に手紙が届いた。

中には戸籍謄本が入っていて、私が新田姓から佐藤姓に変わったことが記載されていた。

そしてママ宛の短い手紙と、私宛の長い手紙が入っていた。

 

恐る恐る私宛の手紙を開けると、それまでの意地悪な態度が嘘のような優しい内容が書いてあった。

私は嬉しくなった。

 

と同時に悟った。

私はこれだけひどい仕打ちを受けても、新田のお母さんのことが好きで、それと同時にお母さんから好かれていたと信じたくて、私が嫌われていたなどと思いたくなかったのだ。

 

私は今ならお母さんと話せそうだと思って長崎に電話してみた。

お母さんが出た。

 

「もしもし、お母さん?」

「は?」

「もしもし、お母さん、私よ」

「はぁ? 誰?」

「もしもし…お母さん…怒ってるの…? 泣」

「フン、別に怒ってないけど」

最初から私からの電話だとわかっていて、知らないふりをされたのだった。

 

…もう二度と騙されない。

もう二度と新田のお母さんは信じない。

そう心に誓った。

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