それから中国のいろいろな知り合いに話をして、中国からの要望があったら、何でも日本で仕入れて売ろうと思いました。例えば、福井市の会社のねじタップ、インターネットで圧力センサーメーカーを調べてM社の圧力センサー、プラスチック加工用の顔色添加剤等を中国に輸出したことがありました。

ある日金沢市に不要な車の洗車機があるとわかって、退勤後夜11時頃見に行ったことがありました。

福井に戻ったら深夜1時となっていました。洗車機をただでもらえましたが、中国に送るには梱包費や運賃および通関費用を計算して100万円以上かかり、中国で使えるようにするには、ガソリンスタンドでの設置費などと合わせて200万円が必要だとわかりました。当時中国では手洗いでも10元(約180円)でした。

洗剤や管理費、水道、電気などを考えると10年間でも回収できません。結局、収支が合わないから、やめました。

私は勇気がある性格で、この頃は商売したい気持ちが強くて、ビジネスのチャンスがあったりお客様のほしい商品があったりすると、何でもやろうと思いました。製品を知らないと、本を買ったり図書館に行って調べたりして、必要な知識を身につけて取引を行いました。本を読めば大体は製品の原理などを理解でき、やはり自分の読解力は仕事に役立っていると思います。

難しかったリンゴの対日輸出

私の実家は有名なリンゴの産地です。とれるリンゴは酸っぱさと甘さがちょうどよくて、インドネシアやベトナムなどに輸出しようと思いましたが、なかなかうまくいきませんでした。

リンゴのジュースは日本の十分の一の値段です。1998年10月、二見専務と一緒に実家を訪問した際、リンゴジュースの日本への輸入を検討しましたが、大変難しくて、これも商売にはなりませんでした。そして、帰国後二見専務は「ジンさんの生まれたところの谷はすごいよね。車で2時間もかかり、日本には絶対ないよ」と言われました。

私にとって当たり前のことは二見専務にとっては大変目新しいことでした。

福井の企業・学校・病院の数多くの食堂を管理しているある食品会社を経営する斉藤社長と藤田社長は、私の出身である西安理工大学の食堂の管理を請け負うために中国を訪問しました。お昼ご飯のとき、1万人ほどの生徒が一斉にレストランに来るのを見て、斉藤社長は大変感動して「一人につき一食50円儲けたら、一日2食で100万円利益が出るね」と言われました。

次に西安交通大学や西北工業大学の食堂課を訪問しました。当時この三つの大学は合わせて5万人の大学生がいて大きな商売となると思いましたが、あまり投資額が大きく人材もいないから、これもやめました。

【前回の記事を読む】優れた経営の感覚を養うには、いろいろな経験に基づき少しずつ積み重ねていくしかない

次回更新は4月14日(日)、12時の予定です。

 

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