医療従事者である坂光代表の言葉はずっしりとした内容だった。
「温かいね。このチームで本当に良かったね」涙目で夫に話した。立て続けにチーム一のムードメーカーの大学院生で理学療法士、アフィーレ広島AFCのコーチ小林くんからもメッセージが届いた。
了解です!
僕はそういう診断を受けようが受けまいが、特にまーさんに対して、何も変わりませんので、これまで通り、宜しくお願いします。
叱責されたり、同時にいろんな指示を受ければフリーズすることだってもう、なんやかんや四年の付き合いですのでわかってますし、それを含めて、大会でも難しい指示を出しました。
まーさんにはそういう面があるけど、誰にも負けない、身体能力を持っていることは、僕はわかってますので、それを最大限に生かせれば日本代表も夢ではないと思ってますよ! 引き続きお願いしますね
さらにチームの選手たちからも次々と、
「大丈夫だよ」
「これからも一緒にがんばろう」という声かけが続いた。
一番障がい者に近い社会が障がい者サッカーのチームだった。夫が遅刻をしても、忘れ物をしても、ひとり準備が遅くても周りが見守ってくれていたことをこの言葉から思い出した。チームのみんなは、夫が障がい認定されていようがいまいが、わかってたんだ。カミングアウトしたことで一番得られたことは、夫を支えてくれる人がたくさんいることを知れたことだった。私一人で支えているんじゃない。
アンプティサッカーの全国大会を翌月に控え、まだまだ本調子じゃない夫は行くことになったものの、臨月の私は一緒に行けない。「谷口正典のトリセツ」を作り、チームのスタッフに説明して託すことにした。
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