ケインズの波及効果理論
経済構造の話に戻ると、アダム・スミスの唱えた富の分配を批判することによって、カール・マルクスが『資本論』を発表するきっかけとなり、搾取の両端が貧富差の拡大につながると提唱された。
ケインズの唱えた波及効果のように、アダム・スミスがカール・マルクスに影響を与えたことで、経済が満たされることとなった。リカードの唱えた比較優位論は、各地での生産性が他地域よりも優位であることで交易が成り立つ理論である。市場原理主義経済の導入では、経済を潤す目的が破綻し、リーマンショックにつながった。
日本でのケインズの波及効果の代表的な政策は、田中角栄元総理の日本列島改造論だ。アメリカ合衆国では、1930年のルーズベルト元大統領のニューディール政策である。
これは、1929年10月24日(木)ニューヨーク証券取引所ウォール街で発生した、
暗黒の木曜日と呼ばれる株価暴落による不況と失業者を救済する発想(ケインズの波及効果)で、テネシー川流域開発機構でのたくさんのダム建設を同時に行うことで、失業者を吸収した政策である。
日本での市場原理主義経済の導入は、中曽根康弘元総理の国鉄民営化、専売公社の民営化、小泉元総理の聖域なき構造改革や労働者派遣法がある。
1990年、バブルがはじけた現在の日本の経済構造は、国債を発行してこれを金融機関や日本銀行が買い取る仕組みで、国の借金は世界でも突出し、1000兆円を突破、国民一人当たり837万円となっている。
しかし、ギリシャみたいに破綻しない理由は、国債の購入者が日本国内の金融機関と日本銀行で、富裕層の資産や市民の定期預金となるからである。そのため、日本の場合、当分破綻はないが、国民、市民(特に沖縄県民)は生活が窮屈になる。
現在のような行き詰まった経済構造のままだと日本は危機的状況に陥ってしまう。人間が生きていくために重要な物に順位をつけるとしたら、食事、衣類、住み家(住居)、労働、学問、遊び(娯楽)、休みだと私は思っている。
中でも一番重要な食事について、食物を通貨の基準にする発想を思いついた。この案を実現するには時間はかかるが、ほかに良い代案があるだろうか?
いつかは誰かがやらなければならない目標だ。私が発案者になりレールを敷けば、後継者が現れるだろう。
それが前提なのである。
【前回の記事を読む】格差の原点である資本主義経済構造。「搾取される労働者側」と「搾取する資本家側」