(七) いざリーガロイヤルホテルへ

私たち車先発組がホテルに到着した時、ホテルでは、あちこち結婚式でにぎわっておりました。着飾った新郎新婦の友人たち、美しく化粧をさせられた新郎新婦と思しき若者。

花嫁さんなどは、緊張してカチカチに固まっていると思いきや、とてものびやかに今日という日を主役として謳歌しているふうに見受けられ、自分の結婚式当日のカチカチの緊張をふと思い出して、時代の移りを今更のように感じました。

ふと、五十五年前の私たちのあの日が思い出されました。(私たちの様に末永くお幸せにね)と心の中でそっとお祝いをしました。

私たちの待機部屋としているところが、これらのお式会場の真ん中でないことに私はまず安心をしました。それにもし若いこれらの御出席のみな様が、人工呼吸器を着け、たくさんのチューブをぶら下げて車椅子に乗っている人とそれに付き従う数人の付き人の様子を見たら、ふだん障碍者などと接することない人たちは不快感を持つのではないかと心配になったのです。

部屋の中はベッドの設置場所も打ち合わせ通りゆったりとした配置でした。もちろんベッドは介護用品扱い専門業者が特別に運び込んでくださった、今日一日のためにわざわざいつも家で使っているベッドと同じギャッチアップベッドの持ち込みです。

部屋は、酸素、呼吸器などを置いても周りを介護人がスムーズに動き回れるほどのゆとりがあり、わが家の環境とあまり変わりなく、とても落ち着いた雰囲気の部屋でした。

介護スタッフの控え場所もかなりのスペースがあり、ホテル側のご配慮が伺え、とても嬉しく思いました。酸素、ベッドの手配の方々も、連休の中日という若者にとっては大事な日であろうというのに、ここに詰めかけて下さりきちんと設置してくださいました。とてもありがたいことです。

あとは主役原辰徳監督のご来場をお待ちするばかりとなりました。今日の夫は、これが本当の『主人』だと業者の皆さんと大笑いしながら、新幹線組の一行の到着を待ちました。

この間に私は同窓会会場に出向き、役員のみな様にご挨拶。いろいろな面で細かいお心遣いをいただき、心から感謝の言葉を申し上げました。

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次回更新は2月2日、11時の予定です。