お楽しみ

入院患者の楽しみは、二週間に一度のカラオケ、喫茶室、体操。カラオケの日は、朝から誰が何を何番目に歌うか、綿密な話し合いが行われる。そうしなければ、喧嘩ばかりで時間終了になってしまう。

喫茶室では、コーヒー、ミルクティーなど売店にはない、温かい飲み物などをボランティアの方が用意してくれます。しかし看護師さんの目はごまかせません。三杯目以上はストップが入ります。ボランティア活動の中には、社会復帰を目指す方も参加しています。一生懸命すぎて何杯でも運んでくれる方がいるからです。

運動は体育館で。卓球、バスケット、テニス、バレーボールいろいろあります。点数はなし、選手交代、体調など気を配ってくれます。

追伸
どの行事でも、閉鎖病棟なので出口で点呼して看護師さんがカギを開けてくれます。列の前後には看護師さんが付きます。行事が終わると点呼、病棟のカギを開けてくれるのを待ちます。点呼に始まり、点呼で終わる1日だったような気がします。気をつかうお仕事ご苦労様です。

湯たんぽ

入院中の私は夜起きている、寝られないのでホールにひとり。暗いホールの中、時計とにらめっこしている。朝6時に開く喫煙所を待っている。寝静まった病棟は意外と賑やかで、患者の意味不明な大きな寝言。

「隣の人のいびきがうるさくて眠れない」

と看護師さんに訴えにくる人。外は雪が深々と降っている。ふと、雪かきの心配がよぎる。寒さで重ね着をしている私に、看護師さんが微笑みながら、湯たんぽをポンと渡してくれた。

追伸
夜寝られないので、いつも昼間ベッドでうとうとしていた。「テレビ見よう」と誘ってくれるけど、眠いので無視すると耳元で「テレビ見よう」と何度も起こしにくる。寝返りをうったら、もう一人が私の顔の前で「ねぇ、見よう」と微笑んでいた。いつの間にか挟み撃ちされていた。ちょっと怖かった。

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