まるいしんぶん
朝
僕は
がんじすの水と呼んでいる
コップ一杯の水を飲む
それから
まるいしんぶんを読む
(泥の聖女が1人で
そっと大地に還っていく)
(Z時
くらい街灯の点った
街は異装だ
泥の聖書を
彼女から奪っていった
擦り切れた皮ジャンパーの大男が
未だねむったことがない
25時の魔都の雑踏深くへ
紛れていった)
(えんぴつ書きの肖像が
不可解な言語で書きなぐられていた
鳥達と
サックスやドラムスの奏者達が
高層ビルの屋上で大げんかしている
7月23日の彼の誕生日の
夜)
すべて
《影の実存》の
ニュースだ
さて
まるいしんぶんを読み終えると
僕の新しい1日が
始まる