さらに問題点が噴出した。届く郵便物を見て愕然とした。
「これ、税金の督促じゃない? これって何年も前の病院の請求書? 弁護士から届くってどういうこと?」
極めつけは、カード会社からの督促が、それも四通も届いた。内容を見て思わず叫んだ。
「カードローンの利息が十四%ってどういうこと?」
「毎月ちゃんと返している」
「返している人の利息が十四%って、毎月いくら返しているの?」
全部を広げて紙に書き出し計算してみた。
「一年間で利息分さえも返済できてないじゃない。借金が雪だるまのように膨らむってこういうことだよね」
いろいろと聞いても、のらりくらりで覚えていない。過去のことや事故のこと、問いただしても覚えていない。一体どうなっているんだろう。
「あなたは、自分の人生をどう考えているの?」
完全に説教だったが、私の説教にまともな回答は返ってこなかった。放り出そうにも、身体障がいがあり、手助けする人もいそうにない。すべてを調べて、解決方法を探してみるくらいはいいかなと思い、震える手を抑えながら、手伝うことにした。どうしようもないどん底人生としか思えなかった。
「どん底だから上がるしかないか。どん底をマネジメントして、てっぺんが見えたらどんなだろうね」
アスリートの血が騒ぎはじめた。