【前回の記事を読む】「飲酒で人間関係が円滑」は時代遅れ!飲めなくても変わらない
第二章
アルコール依存症を克服する為の四つのステップ
➂飲酒のメリットはないことを知る
■お酒は美味しい
お酒は美味しい。確かに、もちろんそうでしょう。あなたの脳には、これは美味しいものだと刷り込まれているでしょうし、酒蔵や酒造メーカーは美味しく飲ませる為の工夫を何百年も続けてきたのですから、美味しいに決まっています。
そして、最近のストロング系の安い缶チューハイなどはもっと巧みに作られています。ほとんどエチルアルコールと、中毒性の高い人工甘味料のみで作られています。
アルコールも糖分も飲めばすぐガツンと脳にダイレクトに響くという仕組みです。美味しくて当たり前、薬物と糖分の本能的な快楽にはなかなか、いや、ほとんど逆らえるものではありません。しかも超低価格で製造・販売できるわけですから、ストロング系ファンが増えるのも無理はありません。
■お酒は料理を引き立てる
「お酒は料理の味も引き立たせるじゃないか」という方もいらっしゃると思います。いわゆるマリアージュというヤツですね。これはその通り、ごもっともです。これでも私一応シェフですので。しかしそれは最初だけです。
お酒は美味しいですが、やはり危険ドラッグです。最初こそマリアージュを楽しめますが、すぐに感覚が鈍くなります。二品目・三品目はマリアージュどころか、料理やお酒本来の味も正確には捉えられなくなります。
ワインを片手にフレンチのコースをたっぷり食べ、その後バーへ行き、最後にラーメン(え、ウソでしょ)。満腹中枢も麻痺している為に中年太りへまっしぐら。美味しい、楽しいマリアージュの記憶はどこへ。
危険ドラッグの効果で、こんなとんでもない食生活を平気で繰り返します。あなたの生活や人生を破壊するお酒は、本当に必要なのか今一度考え直す必要があると思います。
ペリエ片手にイタリアン。少量を口に運び、よく咀嚼して本来の味を噛み締める。この方がイマドキのお洒落でイケてる大人だと私は感じます。あなたはどちらの思い出が素敵だと思うでしょうか。