(4)人材育成への投資制度
一方では、大学や大学院、研究室と民間の企業の連携も大切なことであろう。現在もそのような連携はあるのだろうが、いろいろな形態の連携があっていいだろう。国力を上げていくには研究機関にだけノウハウを蓄積しても駄目だ。民間の企業にもそのノウハウを開放し共に研究開発を行い、それを製品化し利益に結びつけていかねば日本という国の力にはなっていかないのだ。
従って国はそういった大学の研究機関と民間企業との共同研究開発には積極的に補助を行っていくべきだ。資本主義は国ばっかり強くなっても駄目で、民間企業の利益が国力を増大させていくのである。
国や地方公共団体は国公立大学を運営することによって人材育成に投資をしていることになる。さらに私学にも助成をしており、私立大学にも人材育成に投資を行っていると言っていい。
民間企業についても、例えば特定の研究を行っている大学や大学院、研究室に対して、あるいは特定の研究者に資本を提供する代わりに、それによって生み出された新たな技術を共有し生産に結びつけて利潤を得ていくことも重要ではないか。新たな人材育成への投資制度についても、もっと考えていかねばならないことではないかと思う。
大学に関する改革についていろいろと述べてきたが、結局国はもとより民間の企業ももっと大学や大学院、そして研究機関にお金を出せということである。研究者が研究に没頭できる環境を充実させていかねばならないということなのだ。実際に中国などは研究者にふんだんに予算を投じ、自国だけではなく世界中から優秀な研究者を集めている。
日本も十分な対策を講じていかないと、アメリカ、中国をはじめとした各国にますます遅れをとってしまう。これは警告と言っていいだろう。今が大事だ。日本も腰を据えて取り組むべきである。