学校では緊急保護者会が開かれ、全学年の保護者が集まったと聞いた。
「この事件は、本当なのか」
「校長はいつから把握していたのか」
「無実だと考える先生達はいないのか。いるならなぜ彼を守って助けようとしないのか」
「そんなことをする先生じゃない」
「クラスの子供たちが動揺している」
「先生が元気なのか、様子を知らせてほしい」
様々な質問や意見が出て、緊急保護者会は長時間におよんだらしい。保護者のKさんとつながった。子ども達は哲也をとても慕っていて、「みんなで警察に先生を助けに行こう」と言っているそうだ。警察に連れて行ってほしいと親に頼んでいる子もいると聞いた。私は、「もしできましたら、お子さんから息子に励ましの手紙を書いていただけますか」とお願いした。
しかしWEB上には、息子の顔写真や家族のことまで書かれている。長男やお嫁さん、孫にまで影響が出ることが心配だ。心ないコメントの一つ一つが胸に突き刺さる。哲也がそして私達家族が何をしたというのだ。
長男も主人も、大丈夫だからと言って、私を支えてくれる。主人が数年前に大病をしたことを思い出し、「今回はお父さんが死にかかった時より、大変なことだね」と食事しながら話した。
昔からの友人も心配して家を訪ねてきてくれた。2時間近く私の話をじっくり聞いてくれた。警察署の前での活動にも参加してくれると言う。ありがたい。本当にうれしかった。
息子が逮捕されて3日間は家に閉じこもっていた私。でも、何もやましくないのに、なぜコソコソしなくてはいけないのだ。普段通りにしよう。どんどん外に出る。町内の人に出会う。
このニュースを知っていた人に、冤罪なんです……と説明。町内の人に私の話を伝えてとお願いする。町内会長さんは「あなたの息子さんが、そんなことするわけがない。無実なんだから、堂々としていなさい」と言ってくださる。今後の応援もしてくださるとのことだった。
皆、哲也の味方だ。絶対に負けない。