車内で私は、人生で初めて男性に対してブチ切れます。

恋愛経験がないと言ったのに一体お前は何をしているんだ。今までのやり取りの中でやたらと「早く会いたい」アピールが多いけど、ウザい。今のところ私は自分の時間を削ってまでお前に会いたいとは思っていない。カラオケのときボディタッチが多いのも嫌だった。

とにかく罵倒しまくりました。

彼は黙って私の話を聞いていました。正直、私の体を触った瞬間にこれダメだな、嫌がられているな、と思ったとのこと。だったらなぜその時点でやめなかったのか、と私はさらに怒りました。

「付き合ったことないって言ったのに、何であんなことするん」と当時の私は思っていましたが、男性は察することが苦手です。この後のホタルとのエピソードでも述べますが。

「男性経験がないと言えば慎重に接してくれるだろう」という私の考えが間違っていたのです。そもそも、ドライブに応じた私が悪いです。

自分より明らかに強そうな相手に立ち向かった私も強者ですが、彼もまた、相当強いメンタルの持ち主です。

「男性とは繊細な生き物だ」と後述しますが、彼だけは例外だったなと今でも思います。

「私はこんな面倒臭い女だから。嫌だなって思ったら、もう連絡しなくていいから」と私は言い放ちました。もうこれで終わりだなと思いました。でも彼は、「嫌にはならない。好きな子は大事にしたい」と言いました。「別に私のこと好きじゃないでしょ」と言った私に対し、彼は「めっちゃ好きではないけど、だんだん好きになっていってるなっていうのは分かる」と言いました。

「次までに心入れ替えとく」と言った彼。あれだけ彼のことを罵倒した私ですが、「彼氏を作ること」に必死だった私は予定通り告白宣言した日も会うことにしました。

当日。あいにくの悪天候だったため予定は変更しましたが、ボディタッチは一切なくそこそこ楽しむことができました。

帰りの車中、「オレはやっぱりちーちゃんのことが好きだけど、ちーちゃんはどうなん?」と彼は言いました。いや、そんなすぐに気持ち変わらんけど、と思いその場では曖昧な答えになってしまいました。私は「彼を混乱させてしまったのではないか」と悩み、その後何度か電話で話してみたりもしましたが、なかなか私の気持ちははっきりしませんでした。

何度目かの電話で、「まだ好きか分からない」と正直に伝えると、彼は「今までは会って二、三回目に告白するかもう会わないか決めてたけど、こういうのもアリかなって思う。こないだ会って、オレはちーちゃんのことがもっと好きになった。徐々にちーちゃんもオレのこと好きになってくれたら嬉しい」と言ってくれましたが、やっぱり心動かなかった私。でも、また彼と会う約束をしてしまったのでした。