【26日】
私が話ができるようになり、リハビリは順調に進んだ。療法士さんが押してくれる車椅子で病室を出て、廊下の窓から外を眺めたが、何だか遠い世界のように感じた。私の病室は4人部屋だが、人工呼吸器をつけた重症患者ばかり。その中で私の手足は、みるみる回復していく。ギランバレー症候群がそういう疾患なのだが、他の患者はそんなことは知らない。私のリハビリを見て、自分も頑張れば治るかもと頑張りだした気がした。そう、一緒に頑張りましょう。
朝から嚥下食開始。むせ込みなく経過。内服薬も口から飲み込んだ。
【27日】
膝が立つようになってから、ベッドの上で曲げたり伸ばしたりの自主練をしていた。看護師さんが驚いたような顔で見ていたので、止められるかと思ったが大丈夫だった。両手も開いたり閉じたり、指を折るのを繰り返した。せっかく動き出した手足の回復のスピードを止めたくない。
この日、鼻から通っていたチューブを抜いた。もう少し若ければ拳を突き上げて、やったーと思い切り叫んでいただろう。これがあるとないとでは天と地だ。思い切り鼻をかめるし(実際は喉の穴が塞がるまではできなかったが)、口から物が食べられる。食いしん坊の私の願いがかなった。
この日の夕食は、重湯にとろみ付きのお茶。こんなにおいしい重湯は食べたことがなかったが、まだ誤嚥の不安があって監視付きの食事であった。
夜中にSpO₂ 88%台に下降持続する
呼吸困難なし、酸素開始 SpO₂ 90%台で経過
血圧110台
車椅子でシャワー浴実施、手すりに掴まり、立位保持可能