酷暑の中で

カッと輝いた夏の陽は

情け容赦も無く舗道に照りつけ

若い女の肌を黒くこがしている

見よ、川の向こうに陽炎(かげろう)が ──

花が三本枯れている

車の止まっている街角は明るく熱い

故知らぬ悲しみはとまどったように

白い明るさの中にただよっている

もはや急いでも無駄なことだ

正しいことがいつも良いとは限らない

あの(ひと)はそのことを知っていたのだろうか?

暑い風が吹き抜ける

汗が体中から吹き出る

あきらめ切れない想いがいつまでも私を苦しめる ──