年齢の違う子ども同士が自由に遊ぶことの大切さ
当園では、開園後すぐの約45年前から「自由あそび」の時間を設け、1歳児から5歳児までの子どもたちが一緒に、できるだけ自由に園庭で遊ぶことを積極的におこなってきました。
保育士の数名が、遊んでいる子どもたちのなかでなるべく干渉しない姿勢で、ものをふり回したり、喧嘩がエスカレートしたときに子どもの名前を呼んだり、それほど強い制止にならないように気をつける態度で見守るようにしています。園長や事務室の職員も、全体の子どもたちを見守るようにしています。時間は、朝8時30分から9時30分と、午後4時前から4時30分の間の時間帯です。
また、給食を少し早い時間に食べる1歳児クラス、2歳児クラスの子どもたちは、食べ終わるとそれぞれのクラスごとに園庭に出て、自由に遊びます。3歳児、4歳児、5歳児のクラスの子どもたちも、ほとんど毎日、給食がすむと園庭に出て遊びます。1歳児、2歳児が園庭で遊んでいるときは、3歳児、4歳児、5歳児たちはまだ園庭に出てきていないので、小さいクラスの子どもたちも比較的広く園庭を使って自由に遊ぶことができます。
この歩くことのできる0歳児、1歳児、2歳児クラスの子どもたちが給食を食べた後に園庭に出て自由に遊ぶ保育園は、公立・民間ともにほとんどありません。開園後すぐから、子どもたちの気持ちをリラックスさせるとともに自分で自由に動き、気持ちの向くまま一人で遊んだり、ともだちと遊んだりする時間を持つことは大切だと考えて、この「自由あそび」を取り入れてきました。
大きい子と小さい子が自由に入り交じって遊ぶと、ときには乗っている三輪車を大きい子に取られたりすることがあります。鬼ごっこあそびになったとき、速く走っている大きい子が小さい子とぶつかりそうになって「危ない」と思う場面もあったりします。
しかし一方で、小さい子が大きい子に遊んでもらったり、三輪車に乗っている小さい子を大きい子が後ろから押してあげたりしている姿もよくあります。また大きい子が遊んでいるのを近くで見ていて、小さい子も自然にともだちとの遊び方を学んでいるように思います。そして危険を察知し、避ける力も自然に身につけていくようにも思います。
なお当園は住宅街の中にあるのですが、園庭で「自由あそび」をしているときの子どもたちの声はとても大きく、男性保育士をはじめ先生たちの声も大きいため、30~40m先の家にも子どもたちや先生の声がよく聞こえます。けれど近隣の人から園に苦情が寄せられたことはありません。
それは、園長をはじめ職員が近隣の人と普段からよく雑談を交わす関係にあり、園の保育をよく理解してもらっているからだと思います。