再投資
事業とは自分たちが消費しないものにお金を使い(投資をし)、お金を増やすことです。先の例で示すと、G→X→(G+g)です。少々難しくいえば、Gは投資するお金、Xは投資先、gは利益です。
この式が成り立つのであれば、投資するお金を増やせば増やすほど利益も増えます。
G→X→(G+g1)
(G+g1)→X→(G+g1)+g2
(G+g1+g2)→X→(G+g1+g2)+g3
……
もちろん、g1よりもg2の方が多く、g2よりもg3の方が多いことが期待されます。
このように、得た利益の一部を投資に回すことでどんどんお金を増やすことこそが、資本主義の黎明期(れいめいき)に事業主が発見した錬金術であり、本来的な事業といえます。
先に説明した分業化や機械化も投資の一種です。生産性を上げることで利益が増えることを期待します。
永続的に利益を増やすために利益の一部を投資に回し、永続的に生産効率を上げていこうとする事業主の姿は、あたかもお金が事業主に憑りつき、もっと増やせと囁いているかのようです。
利益を増やすために事業主が行うことには、生産性向上以外に商品にまつわる事柄もあります。それを次回からの記事で説明したいと思います。