エンジンもあったまってきたな

10 ちなみに松下さんはどんなバイクに乗っていたの?

① 10>スズキのGSX1100SKATANA(カタナ)。

10 おおー、カッコいい、友達が乗ってた。

① で、そんなある種の欲求不満でイライラしていたある日の事。

仕事から帰ってきた父ちゃんが誰に言うわけでもなく話し出した。「バイク買った。今日店から整備が終わったって連絡があった。明日日曜だし精児と取りに行ってくる」

家の中が静寂に包まれた。俺は父ちゃんが何を言っているのか理解するのに数分、まるで魔法にかけられたみたいだった。しばらく呆けた後に、父ちゃんに今言った事が本当なのか確認しようとすると、俺よりもいち早く魔法をといた母ちゃんと姉ちゃんが父ちゃんに詰め寄った。

「何考えてるのよ、高校生にオートバイなんて、しかも私に相談もなしに」

断っておくんだけど、こうやって文章にしたらうちの母ちゃん鬼嫁、鬼母の感じがするけど、母ちゃんの言ってる事の方が正しいわけで、普段の母ちゃんは厳しくはあったけど、理不尽な人ではなかったし、割とおっとりした天然系の母ちゃんだった。そんな母ちゃんがガチギレして父ちゃんに詰め寄る姿はなかなかに見ごたえがあった。

母ちゃんの怒声の後に姉ちゃんが続く。「精児ばっかりずるい。じゃ私にも何か買ってよ」しばらくは母ちゃんと姉ちゃんの怒声のハーモニー、ひとしきり2人の言葉を聞いていた父ちゃんはゆっくりと話し始めた。

2 ①の問題なのに①が蚊帳の外www

① 2>蚊帳の外どころか、他県他国って感じで見てましたよww

で、父ちゃん「バイクは俺が自分のために自分の金で買った。精児のためだけに買ったわけじゃない!」。

姉ちゃん再び絶叫。「でも精児が乗りたいって言ったら乗らせるんでしょ?それなら精児に買ってあげた事と一緒じゃない」

「これから精児と話し合って決めるけど、精児が乗りたいっていうなら勿論バイクは貸してやる。ただ、いろいろな条件は付けていくつもりだし、さっきも言ったが基本的にはバイクは自分のために買った。

母さん、何も相談せずにバイク買ったのは悪いとは思うけど、この家建てるときの事を思い出してほしい。過去の事を引っ張り出してあーだこーだ言うのは好きじゃないけど、この家は君の意見を尊重して建てたよね?それに君が仕事の通勤用に車が欲しいって言ったときも反対しなかったし、車の代金も半分出したよな?当たり前の事だけど、結婚してから毎月自分の収入の殆どを家に入れているよね?

今回のバイクの事は確かに精児がきっかけにはなったけど、いつかはバイクに乗りたいとずっと思っていた。

それから久美、お前にはあれを買ってやったよな?」

父ちゃんはリビングにあるうっすらとほこりをかぶったピアノを指さした。

「もう何年も弾いてるところ見てないけど、あのピアノの代金と調律代、家庭教師の先生の金、総額で今回買ったバイクが3台買えるよ。それに父ちゃんはもし、久美がバイクに乗りたいって言うなら勿論貸してあげるよ。精児みたいに自分の貯金で免許取ってくれば……」

12 父ちゃんかっちょいい~。

7 でもこれで渋々とはいえ母ちゃん姉ちゃん納得したんでしょ?母ちゃんも姉ちゃんもいい人じゃね?