「ゾウさん、ケーキをやいたんだけど。おすそわけです」
ネネちゃんが、おひさまのようなえがおを見せてくれたので、さっきまでぷんぷんしていたゾウのこころが、きゅうにほわんとあたたかくなりました。
「いつもありがとね。ネネちゃんのえがおは、まるでおひさまみたいだ。そうだ、ネネちゃんたち。ぼくもいっしょにダチョウさんの家についていってもいいかい?あやまりたいことがあるんだ」
「もちろん、いっしょにいきましょ」
ネネちゃんとムックとゾウは、ダチョウの家にいきました。ぷんぷんしていたダチョウも、ネネちゃんのおひさまのようなえがおを見ると、にっこりとはなしてくれました。
「ネネちゃん、いつもありがとう。ゾウさんもいっしょにきてくださったのね。ごめんなさいね。わたしがかってにりんごをとっちゃったのがわるかったのよ」
「いやいや、ぼくもついどなってしまってわるかったよ」
ゾウもダチョウにあやまりました。ふたりは、なかなおりができたようです。ほっとしたゾウは、自分の家にかえっていきました。すると、ダチョウもいいました。
「ネネちゃんたち、わたし、カバのおくさんにお皿をかえしたいの。もともと使わなかったお皿だったから、だれかにあげようとおもってたのよ。おこって、かえして!なんていっちゃって、もうしわけなかったわ」
ネネちゃんとムックとダチョウは、こんどはカバのおくさんの家にいきました。
ぷんぷんしていたカバのおくさんも、ネネちゃんのえがおを見て、こころにおひさまが入ってきたようなあたたかい気持ちになりました。
「ダチョウさん、気になさらないで。またこのすてきなお皿で、おいしいケーキがいただけるなんて、最高にしあわせよ」
それをきいたダチョウは、ゆっくりとはなしはじめました。
「じつはね、そのお皿。わたしが土をこねてやいたお皿なの。好きでたくさんつくっていたの。だけど、うまくできている気がしなくって、ついがらくたおき場においてきてしまったの。わたしのつくったお皿をほめてくださるなんて、うれしいわ。ほんとに、あんなふうにおこってしまってごめんなさいね」
それをきいたカバのおくさんは、
「まあ、これ、ダチョウさんがつくったの?すてきじゃないの。またつくったら見せてほしいわ」
と、うれしそうにこたえました。もうふたりは、すっかりなかよしです。たくさんはなしをしたあと、ダチョウはにこにこ顔でかえっていきました。