ある日、突然、身体が動かなくなる…「ギランバレー症候群」の恐ろしさ

【27日】　

夜中に病院から夫に電話が入った。

「痰が多く呼吸筋も弱まり、うまく痰が出せない。呼吸苦も出現しており、早期に挿管管理を行います。機械を利用して呼吸を補助します。痰の管理がしやすくなります。一度チューブを入れると抜けなくなることもある。チューブを入れると違和感があり苦しいため鎮静剤を使います。あえて意識を落とします。2週間挿管していると肺炎のリスクが高くなるため、その場合は器官切開します」

今すぐ病院に行きますと夫が言うと、通常時間で大丈夫と言われたらしい。 　

この日、担当医から改めて家族に病気の説明があった。

「自分の免疫が、自分の神経を攻撃してしまう病気です。徐々に進行していきます。静脈血栓、肺塞栓、誤嚥性肺炎、致死性不整脈が出現するリスクがある。 急変する可能性があるから、常時連絡が取れるようにしておいてください」

人工呼吸器をつけて私は声が出せなくなった。ナースコールは手が動かないから役に立たなくてこれはちょっと怖い、何かあっても連絡できない。ベッドの柵に取りつけてマイクのように私の口の前に置き、それに息を吹きかけるとナースステーションに伝わるナースコールを試したが、荒い息で常に緊急指令が行ってしまう。すぐに撤去されたので、打つ手はないということになったようだ。呼吸筋の低下で痰も出せなくなった。

人工呼吸器をつけてから、私は麻酔で意識が朦朧とする日が続く。娘が見舞いに来て手を振っていたのは覚えているが、すぐに眠り込んでしまった。