「武藤さん、この数字は何かな?……」と資料に目を落とした山脇が訊ねると、「ああ、二八という数字ですか? それは我々がこの国のシンクタンクとして、政府に提言した件に対して、曲がりなりにも何等かの検討らしき事が行われた数字で、八〇八という数字は我々が魂を込めて行った提言をダイレクトメールを開封さえしないで、恰もごみ箱に捨てる様に扱われた提言の数です」と武藤亜希子が苦々しげに答えてみせた。「この国の政…
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