朝の満員電車は人の臭いで溢れている。その臭いにムカムカしながら揺られているうちに、電車は支所のある緋桜町駅のホームに着いた。いつもどおり、男子高校生たちが床に放り出している鞄をまたぐ。蹴飛ばしてもいいやと思っていたら、本当に蹴飛ばしてしまった。「うわっ、蹴られたし、マジ最悪」「謝れっつーの」男子高校生たちが不平たらしい目でこちらを見ていたが、気にせず雪子は通り過ぎた。彼らは隣駅のS工業高校の生徒…
アウトサイダー文学コンテストの記事一覧
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小説『魂業石』【最終回】内海 七綺
次の材料候補は、迷惑なイキリ男子高校生。私が美しい宝石に変えてあげる。絞殺、薬殺、撲殺、なんでもいい気もしたが…
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小説『魂業石』【第18回】内海 七綺
人体の急所、効率的な死体処理、犯罪の隠し方…あの人は様々な知識をくれた。やがて、私が暴力や犯罪のスキルを身につけると…
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小説『魂業石』【第17回】内海 七綺
「さて、なにをして遊ぼうか。可愛いお嬢さん」後ろから口を塞がれ空き家に引っ張り込まれた。その手にはナイフが握られていた。
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小説『魂業石』【第16回】内海 七綺
「それって浮気の始まりだよ。旦那さんが可哀想…もしかして、上手くいってないの?」目が輝いた。私の不幸を期待した?
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小説『魂業石』【第15回】内海 七綺
母唯一の功績は、私を美人に産んだことだ。ブルドッグ顔の母、ハダカデバネズミの父…いざとなれば母も殺せばいい。
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小説『魂業石』【第14回】内海 七綺
あいつを殺して作ったダイヤ。深海のような藍、本当に綺麗…一つじゃ足りない。もう一つ欲しい。次は誰にしよう
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小説『魂業石』【第13回】内海 七綺
あの若い警察官、あの人の息子だったのか。私に人の殺し方を教えた、犯罪者のお手本みたいなあの人の…。笑っちゃう。楽しい。
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小説『魂業石』【第12回】内海 七綺
「子供はまだか」…? 手のかかる異分子は当面、必要ない。夫も義父母も、どうしてそんなに子供を欲しがるのだろう。
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小説『魂業石』【第11回】内海 七綺
暴力は愉快。このクレーマーを殺す夢想は何度かしたが…今日はなんていい日なのだろう。濁った涙を浮かべる小汚い顔よ(笑)
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小説『魂業石』【第10回】内海 七綺
金魚の水槽にCO2添加剤を放り込んだ。やがて金魚の動きは鈍くなり、水面に顔を出した。ぱくぱくぱくぱく、命乞いみたいだ。
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小説『魂業石』【第9回】内海 七綺
「私が殺したいのはあなたですよ。心当たりないですか? 当たったら殺すのをやめてもいいですよ」…余興は楽しまなければ。
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小説『魂業石』【第8回】内海 七綺
家の中に侵入すると、ごみ袋やガラクタだらけ。テンプレすぎて笑ってしまう。人間というより蛆虫だ。おあつらえ向きの夜ね。
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小説『魂業石』【第7回】内海 七綺
行方不明になった老人は、市役所に「ご高説」を垂れる「常連さん」「有名人」だったようだ。いずれにせよ …
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小説『魂業石』【第6回】内海 七綺
「こんばんは。強盗じゃないですよ。これから、生きたままあなたを××します。」――迷惑爺さんが自宅でうたた寝していると…
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小説『魂業石』【第5回】内海 七綺
「偉いわねぇ、本当にいい子ねぇ」傷つけられても笑っている人間が“いい子”だなんて、ものすごい価値基準だ。
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小説『魂業石』【第4回】内海 七綺
蜂駆除業者を呼べと言っても「お前らがやれ!税金泥棒!」と怒鳴り散らす茹でダコ。ついに肩を突き飛ばされ、がしゃん、と…
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小説『魂業石』【第3回】内海 七綺
遺骨からダイヤを生成する? 人の体を使ってこんなにも美しい宝石が生み出せるなんて…もっと近くで見たい、触れてみたい。
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小説『魂業石』【第2回】内海 七綺
父が病死し、一人暮らしの母。リビングは腐海の森で、足の踏み場もない。腹が空いていたのか、私が作ったパンをムシャムシャと…
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小説『魂業石』【新連載】内海 七綺
沼のような目でこちらを覗くおじさん…通り過ぎようとしたら、ランドセルにかけた給食袋を引っ張られ、後ろから口を塞がれた。
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アウトサイダー文学コンテスト 大賞受賞作『魂業石』1月25日連載開始!